リーン消費対応は、商品・サービスそのものの品質や満足度に注目するのではなく、購入までのプロセスに目を向けるという方策だ。顧客が製品を入手するまでの満足度で差をつけるわけだ。
例えば、カーディーラーの修理対応のプロセスは平均で120分程度要しているというが、そのうちで価値創造に費やされている時間はその半分しかないという。つまり、待ち時間や書類の作成時間などに費やされている。「リーンとはぜい肉をそぎ落とすという意味。購買プロセスの無駄というぜい肉をそぎ落とし、満足度を高めて価値をつくりだす」ということだ。
そして、利益を出すためのモデルを見直す必要があるという。価格競争の激しいコモディティのボックス売りで利益を出すのはもはや難しい。そこで、「利益を別のところに求める方向へ転換する必要がある」。
さまざまな業界で多様な利益モデルのバリエーションが作られているが、「これらの型を使うことで、価格競争を避けることができるようになる」と恩藏氏は言う。
ベースとなる製品で利益を上げるのではなく、フォローオン製品で利益を上げるモデル。例えば、ヒゲそりの本体でなく、替刃で利益を出すというようなジレットなど
キーとなる資産をマルチ展開して利益を出すモデル。例えば、キャラクターを他面展開するディズニーなど
話題性の低いところコツコツ儲けるのではなく、高いところで大型爆弾的に一気に利益を上げるモデル。例えば、映画や出版など
既に価格帯が形成されている市場で、価格ポートフォリオを持って展開するモデル。最も利益率の高いのは高級品のAクラス製品だが、それを維持するためのB、Cクラスというように安価な製品も投入して障壁を築いておく。例えば、時計や自動車など
ベースとなるビジネスではなく、周辺で利益を上げるモデル。例えば、客室でなく併設のレストランで儲けるホテルなど
顧客の求めているものの本質を見抜いてビジネスを展開するモデル。例えば、GEなど
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授