シグマ-Eでの成功を踏まえ、同様の取り組みをベアリングといった機会部品にまで広げている。例えば、1998年には3000種類もあったベアリングの情報を5年後には185種類まで削減。すでに集中発注体制も実現しており、調達コストを35%以上削減したという。
経営情報の可視化に向けた情報化にも積極的だ。実はリコーでは海外の会社を買収することで販売網を拡充させ、売上を拡大させる戦略をとってきた。そこで、グローバルでの売上管理を徹底するために26種類ものシステムを連携、在庫や売上情報を把握するための「Global Inventory Viwer」を整備。同システムでは、各国における日次の売上情報を集約することで、ほぼリアルタイムに売上を把握することが可能という。
遠藤氏は、ITを経営革新に役立てるためには、先入観を持たず業務を見直すことが不可欠、という。そのためには「止められないか」「プロセスの中抜きができないか」「今までできなかった業務ができるようにならないか」――という意識を持ちつづけることが非常に重要だと語る。
もっとも、問題にはさまざまな要因が複雑に絡み合っているため、容易に解決策を見出すことはできない。そこで必用となるのが、問題な切り分けだ。
「複雑な問題に直面した際には、まずは原因をできる限り細かく分割すべき。その作業を通じて、必然的に対処法も明確となる。そして、本当に業務を改善したいのであれば、一番解決が容易な問題から対応にあたるべき。難しい問題から始めた場合には、かたちだけの改善活動になりかねない」と、遠藤氏。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授