新情報系システムでは、検索のパフォーマンスが大幅に向上。従来と比べて1/10のスピードで欲しい情報を取り出せるようになり、ユーザーの評価も上々だという。1分以上かかっていた検索がほんの数秒で、ということを考えれば、忙しいユーザーにとっては大変なメリットだろう。
原価管理面で見逃せないのは、原価情報の把握が容易になったことだろう。原価情報の把握が困難だと、利益悪化の発見がワンテンポ遅れるという事態が起こりうる。しかし、今回のシステム再構築により、異常値をいち早く察知して対応するリスクコントロールの体制が整った。
また操作性が向上したことで、一般ユーザーも利用を開始。今後はさらに詳細な工事情報を蓄積して、ユーザーの裾野を広げていく考えだ。
「例えば屋上にプールのある学校を何件手掛けたのか、過去に手掛けた劇場の客席数はいくつだったのかといった情報を営業マン自身が容易に取り出せれば、営業活動に大いに役立つはずです。ただ、詳細な情報を集めると、入力する手間が増えて利用が広がらない恐れもあります。効果と負担のバランスを考えながら、定着させることに努めなくてはなりません」と森田氏。
ツールの選定について、森田氏は次のように語る。
「データ処理のパフォーマンスが良いこと、機能がシンプルで安価なこと、検索項目の数に制限がなく、複雑な検索条件の指定が可能なことなどが条件でした。数社のツールを比較検討した結果、最終的に選んだのはDr.Sum EAでした」
また、庄司氏も「経営企画部から要求があった、事業計画システムの構築とDr.Sum EAとの連携部分の要件定義に少し時間を要しました。それでも短期間で構築できたので、基幹システムの本格稼働から大きく遅れることなく稼働させることができました」と導入のいきさつについて話す。
さらに従来は、ユーザーのニーズに合わせたシステムの開発変更は外注していたが、現在は内製しているという。以前に比べて半分の期間で開発ができます。これからわたしたちの習熟が進めば、もっと短期間でカスタマイズできるようになるはず、と森田氏は期待している。
情報企画部としては、扱いやすいツールをさらに活用し、経営、現場双方により効率的な業務の体制作りを進めていくという。
検索にかかる時間が約10分の1に短縮
ホストコンピュータに組み込まれた検索ツールは使い勝手が悪く、必要な情報を取得するのに時間がかかり、一般ユーザーに浸透しなかった。そのため経営管理情報や工事情報を経営や現場で生かし切れていなかった。
操作性とレスポンスが向上して、必要な情報を迅速に取得し、集計・分析できるようになった。原価情報の集約が容易になり、リスクコントロールができるようになった。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授