この様に、ゲームの世界はウェブやメディア、AVの世界に急速に接近しており、もはや単なる娯楽の枠を超えて、情報社会の新しい展開に重要な要素を提供しようとしている。こうした状況を踏まえて、冒頭であげた3社の戦略について今後の展開を考えてみる。
CellプロセッサとBlu-rayディスクのポテンシャルを着実に膨らませ、ポストPCとしてのホームメディアセンターを狙うソニーに対して、マイクロソフトがXbox360とWindowsで築いた強力なプラットフォームベースに、Google対抗のLive戦略を連携させてそれを真っ向から受ける展開になるだろう。この争いに別の領域から参戦してくるのが、アップル(そして恐らくはそれを支援するGoogle)ということになる。
一方の任天堂は、新たに開拓した子供、主婦、シルバーやファミリー等の市場に対して、教育、医療、実用といった軸からのアプリケーションやコンテンツを継続的に投入する路線を維持する中で、異業種分野との連携をさらに強化してゆくことになる。ITベンダー各社に対しては当面はオープンなスタンスを取ることになると思われるが、端末プラットフォーム面での技術的な劣勢をどのように克服してゆくかは、徐々に重要な課題として浮かび上がってくるだろう。
ゲームの世界は、ウェブ、メディア、AVと融合しながら、情報社会全体を構成する大きな要素に進化してゆく。
なりかわ・やすのり 1964年和歌山県生まれ。88年NEC入社。経営企画部門を中心にさまざまな業務に従事し、2004年より現職。デバイスからソフトウェア、サービスに至る幅広いIT市場動向の分析を手掛けている。趣味は音楽、インターネット、散歩。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授