目的達成の正否を分ける周到な「根回し力」タスクチームのススメ(2)(2/3 ページ)

» 2009年04月12日 10時12分 公開
[永井孝尚,ITmedia]

2-5 ロジスティクスの設定

 スケジュールに加えてロジスティクスも決めておく。ロジスティクスとは軍隊で言うところの「後方支援」であり、ここではタスクチームを進めるための会議や情報共有の方法といった具体的な運営方法を指す。タスクチームの会議のたびに決めると意外と手間がかかるし非効率である。タスクチームのスケジュールの遅れも招きかねない。最初に決めておくとより効率的な運営が可能になり、タスクチームが目標を達成する可能性も高まる。具体的には以下のことを考えておくといい。

1.どの程度の頻度で定例会議を行うか

 毎週か、隔週か、それとも毎月か。例えばあらかじめ「毎週月曜日の16〜17時」と決めておく。タスクメンバーが決まった後、全員の都合を聞いた上で調整する場合もある。会議室もタスク終了まで予約しておこう。なお、メンバーによってはその都度決定した方が効率的な場合もある。状況にあわせて考えたい。

2.情報交換の方法

 タスクメンバー間での情報交換の方法を決める。わたしの勤務先では、タスクチームを立ち上げると同時に、Lotus Notes上に情報共有のデータベースを作成する。タスクメンバーに適切なアクセス権限を設定し、このデータベース上で会議で使用した資料や議事録、メンバーからの提案などの情報を共有しながらタスクを進める。途中から加わった新規メンバーは、過去の議論や資料を時系列で参照できるため、タスクの進ちょくを短期間でつかめる。

 タスクチームのメーリングリストを作ったり、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でコミュニティーを立ち上げたりするなど、状況に応じてメンバーが情報を共有しやすい方法を取ろう。

3.経営陣への進捗報告の方法

 タスクの進ちょくをこまめに経営陣に報告することは、適宜フィードバックを受け、経営方針を受けて必要な部分は修正し、タスクのアウトプットの中からフォローすべきことはしっかりフォローしてもらう、という観点でも必要なことだ。誰にどの程度の頻度で報告するか(例:毎月)、どのように報告するか(例:リーダーが報告する)、結果をメンバーにどのように共有するか――などを決めておく。

 ここで決定したタスクチームの進め方は、1〜2枚の資料にまとめて、後述するタスクチームのキックオフで説明するとともに、情報共有データベースで最初に見るべき文書として登録しておこう。新規メンバーにも分かるようにすることが大切だ。

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