イチロー選手が9年連続200本安打という大記録を打ち立てた。彼の姿を見て、真のリーダーについて考えさせられた。
先日、イチロー選手が米大リーグで9年連続200本安打という前人未到の大記録を打ち立てた。108年ぶりの記録更新に、多くの人が感動を覚えたのではないか。彼の姿を見て、真のリーダーについて考えさせられた。
真のリーダーとは何であろうか。それは、プロフェッショナルであり、物事を第3者の視点でとらえられる人のことである。プロフェッショナルとは、野心を持ち、人が見ていてもいなくても、常に一生懸命に努力して結果を出し、自分の仕事に対する(もしくは生き方に対する)姿勢を通して、人に感動を与える人である。さらには、自分の行動を通して、周りの人にも良い行動変化をもたらすのだ。
今春に行われた第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、イチロー選手の野球に取り組む姿勢――ユニフォームをきちんと着ることから始まり、飽くことなく練習を積み重ねることなど――を通して、川崎宗則選手をはじめ、多くの選手が学びを得て、練習に熱心に取り組んだという。ヒットが打てない試合が続き、本人はかなり悩んだと思うが、たとえヒットが打てなくても、イチロー選手がチームにいたことが日本の力を高めたのではないか。真のリーダーとは、周囲に良い影響を与える人でなくてはならない。
同時に、真のリーダーには物事を第3者の視点でとらえる能力が必要だと感じている。第3者の視点とは、説明するまでもないが、自分でも相手でもない、それ以外の人(=第3者)の視点のことである。先日、新首相に就任したばかりの鳩山由紀夫氏には、第3者の視点を持って国家運営にあたって欲しい。第3者の視点で何が一番重要なのかを意識し、行動することが、国家のリーダーにも組織のリーダーにも欠かせないのである。
前回のコラムでも少し触れたが、多くの政治家はこれまで自分の視点で物事をとらえていたのではないだろうか。選挙を例にとれば、自分が当選すること、自分が良いポストを得ることばかりを考えていた。国民がこの国をどうして欲しいかについて考える視点を持ち合わせていなかった。その傾向がより強かったからこそ、自民党は先の選挙で惨敗したのではないだろうか。鳩山内閣には、国民生活を良くするために何をすべきなのか、国民の声に常に耳を傾けて、精一杯取り組んでもらいたい。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授