数々のベストセラーを生み出した日本経済新聞出版社の西林氏は、固定観念を打ち破る、価値観をひっくり返すような独創性が必要だという。多くの人に会い、常に新しいことにチャレンジし化学反応を起こし続ける編集者である。
ITmedia エグゼクティブの会員へのインタビュー企画「エグゼクティブ会員の横顔」。第7回は、数多くのビジネス書、会計、法律などの実務書を中心に、小説、資格試験本など幅広く出版している日本経済新聞出版社 シニアエディター室 シニアエディターの西林啓二氏に話を聞いた。
――西林さんが担当された筑紫哲也さんの『この「くに」の面影』が9月27日に発売されたばかりですので、そのお話から伺えますか。
西林 筑紫さんはハードな政治ジャーナリストの面と、ソフトな文化人の面を両方持っていましたが、ご自身は文化の面のほうがもともと好きなんだと公言されていました。「同じ小沢でも、小澤征爾には関心が深いが、一郎には興味はないんだ」と笑って話していました。週末には全国を回って地元の人々と交流するのを楽しみにし、地域興しに力を入れていました。
筑紫さんは大分県出身で日田の「自由の森大学」の学長も務められ、わたしは同郷のよしみもあり、その関連の本も編集させていただきました。筑紫さんと知り合って最初につくった本は1995年の『筑紫哲也の この「くに」のゆくえ』でした。これはTBSの報道番組「NEWS23」の人気コーナーである「多事争論」に書き下ろしを加えて編集した本で、好評により続編を2冊刊行しました。
『この「くに」の面影』は昨年11月に亡くなってから着手した企画で、本にできるか不安でしたが、事務所にお邪魔したところ次女のゆうなさんと秘書の白石さんから秘話をたくさんお聞きし、WEBの多事争論や「始終至智への旅」、「筑紫哲也の緩急自在」の連載のほかに、未発表の講演録、テープなどがぞろぞろと出て来ました。NEWS23のゲスト対談の一部や舞台裏の話、秘蔵の素顔の写真などが彩りを添えて、440ページの読み応え十分の本に仕上がりました。たくさんの方に、筑紫さんの面影とラストメッセージを読み取っていただけると嬉しいです。思い出してみても偉そうにしていたことがない方で、亡くなられて偉大さを改めて実感しています。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授