【第1回】内陸部の消費ブーム――中国で戦うための心構え世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(2/3 ページ)

» 2010年02月23日 08時15分 公開
[此本臣吾(野村総合研究所),ITmedia]

住宅と自動車の購入がブームに

 まず、図表1は今後お金を使いたい分野を尋ねたものであるが、おおむね、ネクストリッチ層の回答は沿岸部も内陸部も類似している。日々の生活に直結する食料、外食、衣料はいずれも関心が高い。住宅、不動産と自動車についても関心が高い。ネクストリッチ層にとって住宅と自動車の購入は地域を問わず今やブームである。ただし、耐久消費財の中でも、家電については内陸部ではお金を使いたい分野の上位にあるものの、沿岸部ではそこまでではない。つまり、自動車に比べて家電は同じ耐久消費財でも沿岸部ではネクストリッチ層での需要が一巡しているのではないかと思われる。

 また、住宅、不動産に次いで、子どもの教育・学習への支出の関心が高い。内陸部よりも沿岸部においてその傾向が顕著である。ネクストリッチ層を対象とする消費市場の中で教育分野は大変有望である。さらに、国内旅行についても高い関心が示されている。旅行への関心は内陸部においてより顕著である。

<strong>図表1</strong> 今後お金を使いたい分野(重要なもの5つ) 出所)NRI「ネクストリッチ層に関するインターネットリサーチ2009.9」 図表1 今後お金を使いたい分野(重要なもの5つ) 出所)NRI「ネクストリッチ層に関するインターネットリサーチ2009.9」

 今回の調査ではネクストリッチ層の8割以上が薄型テレビ(液晶テレビ、プラズマテレビ)を既に保有しており、デスクトップパソコンは9割以上が既に保有しているという結果になった(図表2、3)。デスクトップパソコンは2年前に行った類似調査(世帯年収10万元以上、聞き取り型アンケート調査)でも9割以上が保有という結果だったため、今回も同様な結果が得られていることに不思議はない。しかし、液晶テレビについては、2年前の類似調査では3割程度だったのに対し、今回は8割以上である。液晶テレビについてはこの2年間に市場が急拡大したことがうかがわれる。

<strong>図表2</strong> 薄型テレビの保有状況 出所)NRI「ネクストリッチ層に関するインターネットリサーチ2009.9」 図表2 薄型テレビの保有状況 出所)NRI「ネクストリッチ層に関するインターネットリサーチ2009.9」

<strong>図表3</strong> デスクトップパソコンの保有状況 出所)NRI「ネクストリッチ層に関するインターネットリサーチ2009.9」 図表3 デスクトップパソコンの保有状況 出所)NRI「ネクストリッチ層に関するインターネットリサーチ2009.9」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆