一方で、人は、成功は自分の力、失敗は他人のせいと考えるという特性がある。失敗したときにはむずかしかったら、運が悪かったから、周りの人の能力がなくて……、など自分の都合のいい理由を考え出す。上司は業績が悪いと部下を責め、努力が足りないと叱責し、部下の出来の悪さを嘆く。しかし、業績が良いと、自分の企画力や指示の良さを自慢する。
成功は自分、失敗は他人のせいにすれば、自分の自尊心を高められ、都合はいいが、周りは大きな迷惑で、身勝手という印象を与える。そして人間関係に支障をきたすことになる。
R君はこの典型例である。
少し話がそれるが、教育の現場で考えると、生徒の成績が上がったときに、教師が自分の教え方が良かったからだと考え、逆に成績が悪いと、生徒の知能が低いからだと考えたらどうなるだろうか。大きな問題が生じる。実際に優秀な教師の場合、生徒の成績が上がったら「生徒がよく努力したから」、下がったら「自分の教え方に問題があるから」と反省する。
上司も、もし業績が上がったのであれば、「みんなの努力のおかげだ」と考えられなければならない。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授