iPadやAndorid端末などスマートデバイスの企業導入の動きが強まる中で、より身近な業態でも、端末としての特性を取り入れる例が出てきている。
iPadやAndroid端末などスマートデバイスの企業導入の動きが強まる中で、より身近な業態でも、端末としての特性を取り入れる例が出てきている。その1つが、美容室などでの採用だ。美容室では、美容師がプロの視点から顧客が望む髪型のイメージをつかむという作業が最初に待っているが、実際にはそのイメージを伝えるのが難しく、結果的に、満足した結果が得られないケースも出てきてしまう。微妙なニュアンスを伝える必要がある髪型の決定のような場面において、iPadが活躍するフィールドが広がっている。
美容室として世界的に知られる存在の1つに英Tony&Guyがある。日本でその一店舗として展開しているのが東京・恵比寿にあるトニー&ガイ恵比寿だ。トニー&ガイ恵比寿は2010年7月、カットをする顧客が髪型を決める際に、iPadで参照できるようにした。
店長の河井一弘氏は「以前は、お客様が望む髪型を把握するために、いろいろな雑誌を持ち寄り、ページをめくって探し当てるという作業をしていた。時間がかかり、カット台が雑誌でいっぱいになってしまうなど効率的とは言えなかった」と話す。
iPadを導入してからは、iPadの中にさまざまな髪型のモデルの写真を保存しておき、顧客がそれを自由にめくって気に入ったものを探せるようにした。お気に入りが見つからなければ、ブラウザを立ち上げ、インターネット経由で芸能人の髪型などを探しにいくこともできる。
「雑誌で対応していた時の数十倍ものヘアスタイルをみてもらえるようになった。10年前のテレビドラマに出てきた○○という女優みたいに・・・・・・、といった無理難題にもインターネットを活用すればこたえられる」と河井氏は笑う。
だが、実感する効果は、iPadを使うことにより顧客の心理的な満足度を上げられることにあるという。たくさんの雑誌を持ってきて見比べる方法では「ヘアースタイルを決めたいという顧客の熱が、次第に冷めていくことが多かった」(同氏)。
「どうせ伝わらないのね」
と思ってしまうことがあった。そのベクトルがiPadにしてから、逆転したという。
「iPadで髪型を探すお客様は、ワクワク感をどんどん高めていくのが分かる」。iPadのデザイン性が「最新の髪型を理解している店というイメージにつながる」と河井氏は分析する。独特のタッチパネルをめくるという動き自体が楽しいことに加え、インターネットの世界につながっており、そこからも情報を得られる解放感も後押しする。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授