また、一度社長になってしまうと本人が望むと望まざるとに関らず、また成功しても失敗しても、次に転職するとしたら社長以外のポジションにつける可能性が極めて低くなってしまうのです(採用側がとても嫌がります)。
初めて「社長」になる時にはいろんな意味で相当な覚悟が必要なのです。
社長経験のない人に社長案件をご紹介する際には上記のような社長特有のチャレンジをお伝えし、その上でかなりしつこく「それでも社長になりたいですか?」とお聞きして、覚悟のほどを確認します。社長ポジションだけはご経験がニーズにマッチしていても「覚悟」のない方は候補者としてご紹介することはできません。(また、覚悟はないのに「やってみたい」だけの人が社長になると周りが大迷惑します。)
ただ、こんなに説得しても覚悟して「社長をやりたい」という人はいます。そんな奇特な人たちが覚悟を持って社長になることに関ったとき、彼らの決断が「正しかった」ものにするためにも、ヘッドハンターには社長が「弱音を吐ける」数少ない相手としての役割があると思います。
社長のポジションに限りませんが、転職した人の決断が正しかったかどうかを決めるのは「1年後の彼ら」でしかないのです。1年後の彼らに「あの時の決断は正しかったですね」と笑顔で言えて笑顔が返ってきた時、はじめてその採用プロジェクトは終了するのだと思います。
岩本香織(いわもと かおり)
G&S Global Advisors Inc. 副社長
USの大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)入社。東京事務所初の女性マネージャー。米国ならびにフィリピンでの駐在を含む8年間に、大手日系・外資系企業のビジネス/ITコンサルティングプロジェクトを担当。 1994年コーン・フェリー(KFI)入社、1998年外資系ソフトウェアベンダーを経て、1999年KFI復帰、テクノロジーチーム日本代表。2002年〜2006年テクノロジーチームAsia/Pacific代表兼務。2010年8月KFI退職。2010年9月より現職。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授