ビジネスマンの悩み相談室
失敗した部下を激しく叱責する上司(1/3 ページ)
細川社長の人気連載「問われるコーチング力」も併せてチェック!
<事例>
あるメーカーのG課長は、先日部下のX君のことを、みんなの前でひどく叱責した。X君がクライアントHさんへの商品の発送を忘れ、そのことに対して、クライアントのHさんからクレームの電話が掛かってきた。
「約束をすっぽかすなんてGさんはX君をどう教育しているのですか?」
クライアントはかなり立腹気味だった。G課長はX君を呼び出して、周囲の人間にも聞こえるような大きな声で問いただした。
「昨日クライアントのHさんのところに商品を送るのをどうして忘れたんだ! 大切なお客さんなのに」
「朝は覚えていたんです。ただ午前中に急きょ提案書を作らないといけなくなり、すっかり忘れてしまいました」
「前にも同じようなことがあったよな。十分気をつけるように言ったのにどうしてなんだ。気をつけろ」
「申し訳ございません」
X君はしゅんと押し黙ってしまった。G課長はどなったものの、怒りはまったく収まらなかった。
叱責で残るもの
周囲の人が見ている中で、激しく叱責されたX君はどのような思いだろうか。おそらくG課長のことを恐れるようになるとともに、失敗に対して過度に敏感になるだろう。最悪の場合、ひきこもりになるかもしれない。
一方で、X君を叱責したG課長はどうだろうか。大きな声でどなり、気分が晴れたかというと、全然そういうことはない。なおも怒りが収まらず、いやな気持をずっと引きずった状態である。
失敗に対して過度に叱責することは、叱責した人にもされた人にも、何も良いことが残らないのである。
「失敗」の本質がどこにあるのかを突き止める必要がある。例えば、X君の場合、提案書を急きょ作らなければならず、それに没頭したために、忘れてしまった。もし別の案件で急な仕事が入ってきた場合、X君が同じような失敗をする可能性がある。叱責で終わるのではなく、そのような事態にならないよう、対策を講じていかなければいけない。失敗を繰り返すことが一番良くないのである。
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