キャリアステージ的にはさまざまなキャリアショックの時期を迎える50代。50代は企業の個人に対する期待の二極化が最大になる時期でもある。社長・役員もいれば、課長・主任クラスもいる。あえて二分すれば、トップマネジメントや技術開発を担う少数の「マネジメントリーダー期待層」と、多数の専門職プレーヤーや役職定年等でリーダーを降りた「実務成果期待層」に分かれていく。多くの50代が『キャリアの下降と離脱』(E・シャイン)に直面しながら、企業の専門職やプレーイングマネジャーなど「ベテラン社員」として頑張っている。その存在感をそれぞれの立場からとらえたのが図表1だ。
一目で感じることは、50代の自己評価と周囲や経営層から見た他者評価に、その存在感の受け止め方に大きなギャップがあることだ。
これらを眺めると、50代社員の活用上の課題も浮かびあがってくる。それらを課題のキーワードにまとめると次の諸点になろう。そのまま強みとして活用できるものと、やや修正を加えて活用するものと、根本的に意識・態度を改めて“自己再生”的取り組みが必要なものがあることに注意したい。
強みとして活用できるもの
1.自信の根源:過去の成功体験と企業貢献してきたという感覚
2 . 自己の存在感 :責任感の強さ、達成意欲、忍耐力
3 . 自己の能力感 :経験領域の仕事、人間関係には有能感をもっている
4 . 対組織感 :染込んだミドルマネジャー感覚、任せてくれれば影響力の発揮もできる
課題とすべきもの
1.チャレンジ意欲 :経験領域にこだわり新しいチャレンジを恐れる
2 .自信・プライド :人に影響力を行使できるときは良いが、部下から素直に学べない
3 .確立された仕事流儀:仕事スタイルが確立されており、新しいネットワーク的な仕事の進め方や、ソフトなコミュニケーションによる意思決定についていけない
4.自己の生かし方 :公式の肩書き・権威・指示による仕事スタイルから、肩書きを外した時
の仕事の進め方、自己の生かし方を学ばないと孤立する
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授