企業はこの上ない成長を目指し、毎年予想を上回る必要があります。そして、競争相手よりも前に出なければなりません。この種の成長はマーケティングだけでなく推進力によって左右されます。
ある研究によると、推進力を適切に利用した企業は、収入と利益を成長させ、効果的なマーケティングを行い、広告対売上比を下げることで、20 年間に渡り株主価値をダウ・ジョーンズ平均株価より80%高めることができました。
推進力に欠けた企業は質の低い製品を抱えて行き詰まり、質の良い新製品の開発に失敗し、創造力を失うなど、何らかの形で不具合が生じて来ます。このような不備を穴埋めするために、企業は乱暴なマーケティングを行い、自分達の製品を無理やり市場に詰め込もうとする傾向にあります。
そして、マーケティングに費用を使い過ぎるため、優れた製品を生み出すことができるかもしれない洗練された運営や革新的研究開発(R&D)に費やす費用が足りなくなってしまうのです。このような企業は推進力を殺すパターンにはまってしまっているのです。
トヨタ社は推進力駆動型の企業です。顧客を満足させることや継続的に新しい価値(例えば、プリウスやレクサスなど)を生み出すことに力を注いでいます。そのため、業界でトップを維持することができているのです。
その反対に、アメリカの自動車製造会社は、無駄削減を行う一方で、巨額の費用を広告に投じたり、販売促進やディスカウントを行ったりしたにも関わらず、作った製品は消費者の熱狂的な支持を得ることはありませんでした。
しかし、時を同じくして、トヨタは世界の自動車業界でトップに登りつめ、素晴らしい推進力の波に乗ったのです。もちろん、マーケティングにお金を沢山かければ利益を得ることはできます。しかし、推進力のある企業は成長するために広告に多くの費用を投じる必要はないのです。
推進力のある企業は「まず、波を作れ、そしてそれに乗れ」というモットーを持っています。企業成長のノウハウにはいろいろな見解があってしかるべきです。
ここで述べられているトヨタの事例は、それなりの資金力があって、それを最大限に生かす形でさらなる推進力を付けてきた事は間違いないでしょう。
資金力に乏しい企業は同じ形で推進力をつける事はできないわけでその際は、マーケティングを優先させながら、商品力を徐々に付けて行くことが望まれるのではないでしょうか?
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授