人々は小さなグループに属することに最も心地良さを感じているという。そして大きな組織よりも小さなグループの方が、容易に目標を達成していくことができるという。その理由とは。
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
これまでに人類が、達成してきた小さなグループの素晴らしい功績に目を向けてみましょう。1969年に月面着陸を果たした最初の人類であるアポロ11号の乗組員は、わずか3人でした。ニール・アームストロング、マイケル・コリンズ、そして、バズ・オルドリン・ジュニアです。
1976年には、スティーブ・ジョブス、スティーブ・ウォズニアック、そして、ロナルド・ウェインの男性3人によって、アップルコンピュータが開発されました。著者のジェフリー・ベルマンは、このような優秀で強力な小さなチームについて、本書で解説しています。
ビジネスを効率化高度化していくためには組織で携わることが非常に重要です。しかも、組織の規模によってその戦略も戦術も大きく変わっていきます。大きな資本と機動力を使って展開する大組織のほうが体力も効果も一見高いように思えるのですが、果たしてそうでしょうか?よく「少数精鋭」と言う言葉があり、小さな組織でも十分に大組織と互角に渡り合うことができています。 能力の高い人間ばかりが集まるから「招集精鋭」という理解をされがちなのですが、実は、ごく普通の人たちの集まりでも、やり方次第で恐ろしいほどのパフォーマンスを発揮することができるのです。
では、一体そのためにはどのようにしたらよいのでしょうか? いや、何故そういったことが起こるのでしょうか? その秘密がこの中にもあります。これを応用することによって大組織の中に小さな組織を分散化させ配置し、プロジェクトに当たらせるということもできるわけですし、実際にそうしている組織がほとんどでしょう。
では、なぜそういったことが起こるのか? また、最強の小さな組織作りをするためにはどのようにしたらよいのか? 本書ではそのメカニズムについて追及しています。組織構築の大きな参考になる良書です。
事例史:大学卒業後の1996年、バーブは、11人の個人集団に加わり、137カ国が関与しているマイクロクレジットについての世界会議を組織しました。目的は、世界中で惨めなほどに貧しい何百万もの家族を助けることでした。バーブと同僚には、会議の準備をするための時間が、わずか8カ月しかなかったため、難事業の計画は、大きな挑戦でした。バーブは、ホワイトハウスやアンゴラ大統領夫人、そして、ペルーの大統領からの電話をうまくやりくりしていたことを思い出します。
バーブと同僚は、最低限の報償だけを受け取っていましたが、長時間労働や低賃金にもかかわらず、多くの目標やそれ以上に大切なことを達成してきました。会議では、600人の出席者を見込んでいましたが、実際は、3000人もの人々が参加しました。これらの出席者は、マイクロクレジットに融資を与えることについて、確固たる約束をしてくれたのです。
バーブと同僚のおかげで、1億以上の貧しい家族は、低コストの融資を受けることができました。これらの家族は、5億人の人々を代表しており、世界で最も貧困な人々の半分に当たります。このグループの経験は、バーブや同僚にとって、魔法にかかったような出来事でした。「我々は、12人のチームでしたが、我々の小さな声は、世界を動かしたのです」と、バーブは述べています。
さて、ここでの事例は何を示しているのでしょうか?
これだけの話では全く内容がつかめません。ただ、イメージとして大きな成功をたった12人で収めた事は理解できます。ではなぜ、たった12人の力で、こういった成功をつかむことが出来たのか? について、もう少し踏み込んで見てみましょう。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授