戦略を実行するためにプロジェクトチームは欠かせない。どのような人材を配置すべきか。リーダー、参謀、メンバーとそれぞれに求められる資質がある。
今回のシリーズでは、「戦略が確実に実行され、業績が上がる組織の動かし方」ということについて話している。前回の第3回目は戦略を実行する第2ステップとして組織の成功循環モデルを知り、リーダーシップを強化することについて話ししたが、今回は組織の人材を分析するということについて解説する。
ある戦略を策定した際、それを実行するためのプロジェクトチームを作るのが一般的だろうか。組織の人材を分析するのも、プロジェクトチームでどのような人材を配置すべきか、それを知るためでもある。
当たり前だが、最も大切なのは、リーダーの選定である。わたしはいろいろな企業のコンサルティングを行っているが、その中で思うことがある。それは「リーダーがぶれると組織はうまくいかない」とういことである。
考え抜いて戦略を策定し、それを実行する段になって、リーダーがぶれる発言をする。
「やるべきではなかった」
これでは絶対に実行できない。
リーダーになる人には次のようなことが必要になる。
1、まじめさ、誠実さ、真摯さ
2、やり抜く力、ぶれない
3、メンバーのやる気を刺激する
何よりも、「まじめさ」である。誠実に、真摯に取り組む姿勢が欠かせない。
次にやり抜く力、ぶれないことである。戦略を実行する、特に今までにやったことがないことを実行する場合には、必ず壁にぶつかる。それは当然のことである。その壁にぶつかったときにどのように行動できるかがカギになる。どんなに困難でもめげずに挑戦する、どんなときでもぶれずにやり抜くことはリーダーには不可欠である。
さらに、リーダーは自分自身が行動するというよりは、周りの人を動かしていかなくてはいけない。それにはメンバーのやる気を刺激し、勇気づけることが欠かせない。
リーダーを支える、補佐役、参謀にはどんな資質が必要だろうか。
1、センス
2、状況を把握する力
3、リスクテイクをできる力
4、タフさ
5、人を見抜ける
まずはセンスのある人である。チームでやろうとしていることに対して、いろいろな感覚を駆使して情報を収集するセンスが必要になる。
次に状況を把握できる人である。今チームがどのような状況に置かれているのか、まわりを見ながら冷静に考えられる力が求められる。
そしてリスクテイクできる人である。ある戦略を実行する際、これまでに実行したことがないので、しり込みをする人がいる。しかし、実行する際にはある程度のリスクはつきものである。そのリスクを分かりつつも、そのリスクを自ら取ることができる、それが大切である。
さらにタフさである。これはリーダーにも求められるが、補佐役にも必要である。困難なことが起きたときに、すぐに折れない、そんなタフさは必要である。
最後に人を見抜けることである。実行する組織を作るには人がすべてである。この人間をどこに配置したらいいか、配置した後も今の配置でいいのかどうか、適宜チェックし、見ていく必要がある。人を見抜く力は必須である。
それでは、チームに入るメンバーに何が必要だろうか。
1、行動する
2、新しいことを面白がる
何よりも、行動する人である。この連載の最初に話し、その後も繰り返し話しているが、どんなに良い戦略をつくってもその戦略を実行しないと意味がない。何かをするのに躊躇するのではなく、「行動する」ことが求められる。一歩を踏み出せる人材は不可欠である。
次に、新しいことを面白がる人が好ましい。新しいことを実践しようとすると、想定以外のことが起きるが、それを楽しく感じられる人がいいだろう。
最後に、メンバーに選んではいけない人はどんな人だろうか。
このような人は決して選んではいけない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授