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» 2011年12月21日 08時00分 公開

企業文化を変え、考え方を根本から変える海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(3/4 ページ)

[エグゼクティブブックサマリー]
エグゼクティブブックサマリー

結果を導く行動

 従業員に確実に責任を取らせるためには、さまざまなテクニックを駆使する必要があります。「指揮統制メンタリティー」に頼った方法はもう時代遅れです。従業員の自発力や一体感を抑圧してしまうからです。しかし、より良い方法で責任を持たせることができれば、従業員の行動を変えるきっかけになります。例えば、命令をただ待つのではなく、自分で考えて行動できるようになります。

 するべきことを命令するのと、新しい方法で行動するよう影響を与えるのとは異なります。影響は理解から生じるため、「停止、開始、継続分析」をすることで、従業員はどの非生産的な行動を止めるべきか、どの行動を始めるべきか、そしてどの行動を続けるべきか、理解することができるようになります。命令することで管理してはいけません。欲しいものは本当の変化であり、リーダーを喜ばせるための行動ではありません。

 責任を持たせることとは、一定の仕事に対しての委任をすることになりますので従業員にとってもモチベーションをアップすることにつながります。考えさせることで結果的に良い行動が取れるようになります。

「考え方」に基づいた「正しい行動」を生み出す

 結果を重要視しているにも関わらず、結果を導く考え方を無視することは、永続性のある結果を手にするチャンスを逃すことを意味します。考え方に踏み込めば、変化に影響を与えます。もし古い考え方を止め、新しい考え方に変えることができれば、従業員の働き方を変えることができます。

 行動を変化させることができるということは、行動だけに焦点を当てるべきだと考える人もいるかもしれません。しかし、もしそうすれば、チームメンバーが何をするべきか命令されるのを待つ文化を作り出してしまいます。表面だけ取り繕っても、従業員をより良い結果を生み出す気にさせることは決してできません。

 考え方には、柔軟性のあるものと頑固なものがあります。柔軟性のある考え方を「カテゴリー1」とします。例えば、安全作業を最優先事項だと考えていない従業員がいるとします。その従業員は、もし新しい監督者が就任し、安全が最も重要だと主張すれば、その変化を反映した考え方に移行する可能性が高いでしょう。このようなカテゴリー1に分類される考え方を持った人は通常、自分の考え方に反する証拠や分析結果が目の前に突き付けられた時、それに順応することができます。

 「カテゴリー2」の考え方は「繰り返しの経験」から生まれます。そのため、変えるには多大な労力を要します。例えば従業員は、経営陣の中には従業員の意見を聞こうという意志がある人間は1人もいないと信じ込んでいるとします。その場合、従業員の考え方を変えるために組織文化を変え、その変化を維持する責任は経営陣が負うことになります。

 「カテゴリー3」は、通常変えることはできません。カテゴリー3に分類される考え方は、道徳や倫理に基づき、ものの良し悪しや是非に関する個人の基本的な信念を反映したものだからです。例えば、ある原子力発電所の管理責任者が点検のための運転停止期間を短くし、そのための計画停電の回数を減らそうとしたことがありました。その時、従業員は激怒し、そのような行為は個人の品位や安全性に関する強い信念を損なうものだと感じました。変えるのは、カテゴリー1と2の考え方にしましょう。

 カテゴリー3の考え方を変えることはおそらくできません。また、カテゴリー3の考え方を持つ従業員がおり、しかもその考え方が組織文化にそぐわないものである場合、その従業員がこちら側に歩み寄れる方法を見つけなければなりません。職場の中やその周辺にある考え方で、企業が前進する努力を邪魔している考え方はどのようなものですか? また、反対に前に進む力を生み出している考え方はどのようなものですか? 良いか悪いかに関係なく、そのような考え方の効果を考えて下さい。

 「考え方を変える」それが企業文化を変え時代に即した形に対応するために必要不可欠なものです。要は、従業員が自ら考え、自らが動くようなシステム作りが必要であるわけで、そのためにはさまざまな「考え方」を分類して対応していくべきなのではないでしょうか。

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