組織文化を変える際、「停止」「開始」そして「継続」しなければならない行動がある。理解すれば命令をただ待つのではなく、責任を持ち自分の考えに基づいた正しい行動ができるようになる。
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
本書は2002年に発表された「Journeys to the Emerald City」を書き直したものです。本書の中で経営コンサルタントのロジャー・コナーズとトム・スミスは、企業がプラスの結果を出すために組織文化を修正する上で役立つ、知恵と秘訣と事実を提供しています。その中で、三段階プログラム、五原則手法、三段階マトリックス、ピラミッドを提供し、変化と文化と人々について論じています。
このように複数のモデルを採用しているのは、重要であると同時に無形である職場の要素について論じているからです。2人が持論として掲げているように、「あなたが文化を管理するか、文化に操られるかどちらか」です。表現や専門用語のせいで2人が提案する確かな手法や有益なメッセージが弱められてしまっている部分はありますが、2人の持論は正しいことが証明されています。本書を、CEO、管理者、人事担当者、親、そしてより良い結果を求めるチームを率いるあらゆる人にお薦めします。
時代は常に変化を続けています。特に21世紀に入り、その変化のスピードは加速度を増しているように思います。さらに、先行きの見えない経済不況も加わるため、そうした環境に対応していけるだけの知恵をつけなければいけない時代に来ています。 もちろん、形あるものはいつかは壊れるわけで、それは企業も一緒です。
ただし、過去において企業の平均寿命は30年といわれていましたが、そうした企業寿命も年々短くなってきているように思います。特に、時代に即した活動や環境を整えられない企業が衰退していく確率が高くなっているのもまた事実です。そうした状況の中では、企業が新しい時代に生き残れるだけの文化を持ち、時代の流れについていくために常に変化をしていくことが必要なのです。
とはいえ、新しい文化を生み出していくことは決して難しいことではありません。特に企業という人間の集合体で成り立つ組織においては十人十色の考え方もあり、それを同じ方向に向けて進めていくことが必要ともいえます。では、これからの変化に対応していくにはどのようにしたらよいでしょうか? 企業それぞれには個性があり、その変化はそれぞれ異なります。暗中模索の中でそれができる企業こそがこれからの時代生き残っていけるでしょう。
本書においてはそうした、変化の中で生きていくためのノウハウ、そしてそのために組織に活力を与える知識が詰め込まれています。経営者ばかりでなく社会の中で生きる人すべての方にぜひ読んでもらいたい一冊です。きっと社会生活の中でのヒントがここから見つかることでしょう。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授