10倍の目標・10倍の成果と聞くと、達成は難しいと考える人も多いだろう。しかし、「10x」という思考法により、2倍の成果を出すより10倍のほうが簡単だという。その秘訣とは……。
ライブ配信で開催されているITmedia エグゼクティブ勉強会にハイパフォーマンス代表取締役 名郷根修氏が登場。アメリカの戦略コンサルティングファームやグローバル医療機器メーカーでの勤務を経て、現在、ヘルスケア分野やコーチング分野の経営を行う名郷根氏は「伝説の戦略コーチ」として知られ、Strategic Coach社を創設したダン・サリヴァン氏に師事し、同社が提供している10x Ambition Programを卒業した唯一の日本人である。2024年3月に著書『10x 同じ時間で10倍の成果を出す仕組み』(日本実業出版)を出版している。「10x」という思考法と、「10倍の成果を出しながら自由な時間を生み出す方法」について講演を行った。
3社を経営する実業家でありながらも、平日17時には仕事を終え、週末は一切仕事をせず家族と過ごすというライフスタイルを送っている名郷根氏だが、2016年までは長時間働き、家族との時間も取れず、心身の疲労からうつ状態に陥っていた。やがてダン・サリヴァン氏が提唱する「10x」という思考法を学び、実践することで、働く時間を減らしながら経営者・起業家として年商を10倍にしてきたという。
「ダン・サリヴァンは、『2倍より10倍が簡単だ』と言っています。しかし、今までの延長線上の思考では10倍達成は不可能です。2倍を志す2x思考、2x症候群から脱却し、10x思考で目標設定をしていくことが重要です」(名郷根氏)
2x思考の人は、「長く働くほど売上が上がる」、「自分が働かないと売上は上がらない」「ハードワークが当たり前、美徳」、「問題の具体的な解決法を探す」、「自分でやった方が楽」、「自分が一番働いている」、「自分が一番仕事ができる」といった7項目の思考の特徴を持っているが、2x症候群のままでは10倍の成長もできず行き詰まってしまう。
多くの人はできることから考えるForecastという思考で「2倍」の目標を設定するが、それでは従来の延長線上の努力しか生まれない。一方で、未来にどうなりたいのか、未来にこうありたい姿から考えて「10倍」という目標を掲げることで、従来とは異なる思考・戦略を生み出すことが可能になる。
「10倍の目標を設定する際は、必ずしも1年後を10倍にすると考えなければならないわけではありません。まず期限を決めずに10倍の未来を想像して、それが何年間後であればできそうかを考えます。5年後であれば達成できそうと思えば、そこから逆算して4年後、3年後と年間計画を立てていくのです」(名郷根氏)
「好き」「得意」「人の役に立つ」「お金を生む」の4つの条件をすべて満たし、人が情熱を持って仕事に取り組める能力を「ユニークアビリティ」という。それぞれがこの能力を生かして仕事をすることで質の高い仕事ができ、自分をヒーローであるかのように感じることができる。
「一人で10xは難しいので、チームで10xを達成することが重要です。10xを達成するには1人からチームへのパラダイムシフトが必要なのです。一人ひとりがユニークアビリティを生かすことで、パラダイムシフトを起こすことができます。あなたが最大限の価値を生み出せるユニークアビリティを特定することが大事です。また、チームメンバーそれぞれのユニークアビリティを知っておくことで、そのメンバーの強みを生かした仕事を任せることができます」名郷根氏)
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授