CTやMRIといった画像診断装置が日本で進化を続けている。
CTやMRIといった画像診断装置が日本で進化を続けている。パシフィコ横浜(横浜市西区)で11日に開幕した「国際医用画像総合展」では最新技術が公開され、キヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)は3つの体位で撮影できる世界初のCTをお披露目した。富士フイルムもAI(人工知能)を使って、放射線科医の業務を支援するサービスを公開した。 キヤノンメディカルシステムズが開発したCTは、ガントリと呼ばれるドーナツ状の撮影部分が上下に移動し、90度回転する。従来のCTは患者が寝た状態で撮影するのが一般的だが、立った状態や座った状態でも撮影できるのが特長だ。
CT営業部グループ長の山田徳和氏は「整形分野などでは寝た状態だと無症状なのに、立った場合には痛みが生じるケースがある。そうした症例に有効」だと説明する。キヤノンはCTの世界シェア4位で、新しい価値を提案して国内外での拡販を狙う。
一方、富士フイルムは放射線科医がCTやMRIで撮影した画像診断結果を記載する「読影リポート」の作成を支援するサービスを発表した。すでにAIを活用し、画像から病変を検出するサービスを展開しているが、その後の読影業務を支援する機能を開発した。
AIが画像診断結果と所見文の矛盾をチェックするなどして記載ミスを指摘し、放射線科医に画像診断を依頼した臨床医が見やすいようにする。IT開発グループ研究部長の桝本潤氏は「国内では放射線科医が1日あたり40~50件の読影リポートを作成するケースもあり、業務の効率化に貢献できる」と語る。
富士フイルムは臨床研究や論文発表などへの2次利用がしやすいように読影リポートのデータベース化も進めており、海外でのサービス展開も視野に入れる。
経済産業省の調査によると、医療機器の2023年の世界市場は約5176億ドル(約74兆円)。先進国の高齢化や新興国・途上国の人口増加、経済発展、技術革新で、27年までに約6543億ドル(約94兆円)まで成長すると予測している。(黄金崎元)
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