フロリダ州オーランドで開催中の「Lotusphere 2012」は2日目を迎え、午前の基調講演では、リーダーシップに焦点が当てられ、このカンファレンスが技術者だけでなく、経営層やLOBに向けた取り組みであることを印象付けた。
米国時間の1月17日、フロリダ州オーランドで開催されているIBM Lotusの年次ユーザーカンファレンス、「Lotusphere 2012」は2日目を迎え、「ソーシャル」によるビジネス変革を成功に導くためのリーダーシップに焦点が当てられ、このカンファレンスが技術者だけでなく、経営層やLOBに向けた取り組みであることを印象付けた。
ソフトウェアソリューションを統括するマイク・ローディン上級副社長がホスト役を務めた早朝の基調講演では、カナダのトロントに本社を置くToronto-Dominion Bank Groupの取り組みが紹介された。1855年設立の老舗はリテール分野に力を注ぎ、顧客数は1900万、北米第6位の規模を誇る。2350以上の支店や営業拠点で8万5000人が働く。
ローディン氏からステージに招き上げられたのは、TD Bankでソーシャルメディアとデジタルコミュニケーションの普及促進を担当するウェンディ・アーノット副社長。IT部門とは別に発足した専門チームを率いている。
「金融業界は規制も厳しいし、アーリーアダプターとしての苦労もある。しかし、この世界は多少の改善では成功がおぼつかない。ゲームのルールを一気に変えるため、ソーシャルソフトウェアの導入を決めた」とアーノット氏は話す。ソーシャルの活用によって社員や顧客の声をオープンに聞き、それを基にサービスの価値を高め、成果を上げることを目指した。
「日曜営業」もソーシャルから生まれたサービスだ。多くの顧客はもちろんそれを望んでいたが、実際には休みを返上して働く社員の理解も得なければならない。
「カナダでは初めての試みだったが、ソーシャルによる率直な対話によって300以上の支店で日曜営業に踏み切り、多くの社員が今ではこの革新的な試みに誇りを持っている」とアーノット氏。
IBM Connectionsによって「ネットワーク化された」TD Bankの成果は、Webサイトやモバイルバンキングの改善にも生かされている。いずれのプロジェクトでも「価値向上」を重んじ、金融業界にありがちなリスクへの過度な懸念は退けてきたという。
「リスクはむしろ好機。常に価値を高め、成果を上げることを共通のゴールにしてきた」(アーノット氏)
今後は、パートナー企業がどれだけConnectionsのコミュニティー機能を活用してくれるのか、課題でもあり、楽しみでもあるという。
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