ここ数年の中国の経済発展は目覚ましいものがある。こうした中国の経済成長を支える金融政策とは。
この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。
この要約書から学べること
本書は、関係者が明かす中国式資本主義をまとめたものであり、意気揚々と世界最大の経済大国になろうとしている中国の経済にまつわる逸話を明かしています。アジアの金融専門家であるカールE・ウォルターとフレイザーJ・ハウイーは、中国共産党が統治する金融システムの内部関係を暴いています。
共産党幹部、企業経営者、技術系出身の官僚の間の対立(皆、政治的および個人的利益を競っています)や、抱える問題の不可解性、そして、国有企業の外国投資家への売り込みなどが明らかにされています。さらに、中国が欧米諸国に見せる近代的で洗練された国というイメージの裏にある、複雑で、多くの場合秘密裏に行われている企みについて深く掘り下げています。
ほとんどの人々が知る機会のなかった実態を詳しく知ることができます。金融および資本市場分野の主役や政策の細部や上級レベルの財務分析について、これまでの中国の輝かしい成長を本当に後押ししている中核となるものが具体的に述べられています。中国の金融基盤を詳しく知りたいと思うすべての人に本書をお薦めします。
ここ数年の中国の経済発展は目覚ましいものがあり、現状でGDPは日本を抜き、今後も10年間で世界で最も経済発展する国だといわれています。2004年度以降は、年間で10%平均での経済成長率を占める数値を示しています。中国の高度経済成長は、安価な労働力に支えられた輸出産業といわれています。
90年代後半より始まった世界的な経済不況によって日本をはじめ欧米各国の企業が、製品の生産コスト削減のために、労働賃金の安い中国へ工場を移転することによって、中国での生産需要が大幅に伸びた結果ともいえます。
中国の経済成長は、労働単価の安さで支えられています。言い換えれば、製造コストが上がることで成長は止まります。つまり、これはあたかも日本の高度経済成長期に酷似しており、いつかは終りを迎える可能性すら否めないのが現実です。しかしながら、自国の経済発展に大きな貢献をしていることもまた事実です。
本書「赤い資本主義」では、こうした中国の経済成長を支える、金融政策業界の裏側に迫っています。今やGDPはアメリカにつぐ世界No.2となった中国は、一体どのような方向性で舵取りを行いどこまで発展し続けるのでしょうか。かつて日本が体験したバブル期との違いや経済成長の更なる行方を深く掘り下げている本書をじっくりと見ていきましょう。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授