「自分の実力なら、この辺りは確実だろう」「今の自分には、これぐらいが妥当だ」――あなたは知らず知らずに、実現可能性の呪縛で自分の可能性をせばめていないだろうか?
先日、カウンセラーになりたいという方が、このような課題を打ち明けてくれました。
私は以前、仕事でメンタル的にツライ体験をしました。私のような体験を他の人にはしてほしくないし、私の体験を生かすことができるならと思い、カウンセラーを目指しています。けれども、どのようにしたらカウンセラーとして生計を立てられるのかが分かりません。病院に勤める知り合いに尋ねてみたところ、病院で働くためには医師の資格が必要なので、カウンセラーとして働ける可能性は現実には少ないそうです。また、福祉団体にボランティアの需要があるか尋ねてみたところ、産業カウンセラーなどの資格がないと難しいそうです。カウンセラーとして生計を立てるためにはどのようにしたらいいのでしょうか
この方のように、本当は「○○になりたい」という気持ちを抱いているのに、「実現可能かどうか」が大きな壁となって新しい道にチャレンジできなかったり、次のステップが分からずに諦めそうになったりしている方がたくさんいます。
そこで今回は「やりたい仕事」と「実現可能性」の2つに目を向け、実現可能性を飛び越えてやりたい仕事を実現する考え方についてお話をします。
将来、○○の仕事ができたらいいなぁ……多くの方がこのような夢を抱いているでしょう。本来、夢を抱くのは自由で、やりたい仕事は年齢や学歴に関係なく自由に選択できてもいいはずです。
もちろん一部の公務員や医者のように、年齢や資格の条件があり、実際には誰でも就けるわけではない職業があります。また、肉体的に不可能な職業もあります。例えば、41歳の私が今からサッカー選手になってワールドカップに出場するのはほぼ不可能です。
しかしそれ以外の大抵の職業なら、その夢が叶う(かなう)/叶わないはさておき、何かしらのチャレンジを始める自由が誰にでもあります。
けれどもいざチャレンジしようとすると、「どうしたら、やりたい仕事ができるのだろう?」とぼんやりと考えはしても、経験や知識がないために具体的なイメージが湧かず、何から始めたらいいのか分かりません。それをカバーするために「何があったらその夢が叶うのだろう?」と、学歴、資格、年齢、性別、金銭的な事情などの「実現可能性」や「条件」の方に意識が向き、「今の自分には無理かな」と、やりたい仕事への夢を諦めてしまいがちです。
夢を抱くのは自由なはずなのに、なぜ「実現可能であるか」ばかりに目がむいてしまうのでしょうか。
私たちは学生時代から、「どうしたらその夢が叶うのか」よりも、「今の自分にはどのぐらいのところがふさわしいか」「このぐらいの学力なら、この辺り」というような実現可能性を基準に進路を選んできました。
例えば受験。いくら高望みをしても、合格しなければ意味がありません。そこで、親や先生が示してくれる「あなたにはこのぐらいの学校が妥当だろう」という実現可能性の高い道を、多くの人は歩んできました。
学校の選択もしかり、職業の選択もしかりです。
この「このぐらいなら、この辺り」「今の自分には、これぐらいが妥当だ」という“実現可能性の呪縛”が、私たちの思考習慣になっているのかもしれません。
過去に経験も知識もない領域へのチャレンジは「できるか/できないか」を考え始めるとなかなか次の一歩を踏み出せません。大切なのは“行動すること”。そこで、実現可能性の制限を外し、行動に結びつけるための3つのステップをご紹介しましょう。
3つのステップとは
1 制限を外す問いかけをする
2 夢が叶っている姿をリアルにイメージし、具体的にする
3 小さな行動計画を立て、やってみる
です。次ページでそれぞれのステップについて、具体的に解説いたしましょう。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授