株式会社心に響く話し方の宮北結僖さんという素敵な女性がいます。宮北さんは俳優の経験があり、それを生かしてビジネスマンが抱えがちなプレゼンテーションの悩みなどに対し、「どうしたら人に伝わるように話せるのか」をセミナーや企業研修でレクチャーされています。
宮北さんによれば、相手に話が伝わるポイントは「どのように伝えるか」というマニュアル的なテクニックにあるのではなく、「心がラクになれば話すことがラクになる」ように、メンタル面を解決することで自分らしく話せるようになることにあるそうです。つまり、日常の考え方や感情の持ち方がそのままプレゼンテーションにも影響するらしいのです。
そこで先日、「どんな風にしたら、日常でも前向きに考えることができるようになるんですか? 何か、いいワークがあるのですか?」と問いかけてみたところ、とても良い方法があると教えてくださいました。その方法とは、発する言葉の語尾に「ありがたいな〜」という言葉を付けることです。
宮北さんのお話を聞いて、私はこう思いました。
出た! あの「感謝しなさい」とか「ありがとうと思いなさい」ってやつだ。言葉にも魂があって(それを“言霊”と言ったりします)、使う言葉が自分に全部降りかかってくるってやつだ。そりゃあ、感謝することやありがとうと思うことは大事だけど、怒り100%の時に「感謝」だの「ありがとう」だのとは思えないんだよな〜
そんな気持ちを察したのか、宮北さんは優しくこう続けたのです。
「それでね、竹内さん。『ありがたいな〜』を語尾につけるときは、ムカついていたらムカついたままでいいんです」。え? 感謝しなくていいの? ありがとうと思わなくていいの?
宮北さんは「言葉と感情は連動している」と言います。女優さんが表現力をトレーニングする1つの方法に、シーンとまったく関係のない音楽を流しながら演じる方法があるそうです。
例えば殺人事件を扱うドラマで思い浮かぶのは、火曜サスペンス劇場のテーマソング「♪ジャ! ジャ! ジャーン!♪」のような音楽です。しかし、料理番組の冒頭に流れる「♪チャンチャラララララチャンチャンチャン♪」のような音楽を流しながら殺人事件のせりふを言うと、同じせりふなのに気持ちが軽くなるというのです。確かに、頭の中で想像しただけでも、その意味が理解できます。これは、音楽だけではなく言葉も同様なのです。
そこで、私たちが日常に抱く怒りや不安、悲しみが生じたときに、そこに起こっている感情と違う言葉である「ありがたいな〜」を語尾に付けると、気分が少し軽くなってくる感じがするのです。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授