日常的なことに追われていると何かを頑張っているつもりだが1年たったときに「あれ、何も変わっていなかった」と感じることも多い。今と違う1年を望むのなら何を変えればいいのか。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「1年後は必ずやってくる。1年後、私はどこにいたいだろうか?」
これは私自身が、日々問いかけていることです。日常的なことに追われていると、何かを頑張っているつもりになってしまいやすくなります。1年たったときに、「あれ、何も変わっていなかった」と感じることも多々あるのです。
もし1年後、何も変わらなくていいのであれば、これまで行ってきたことを繰り返していけばいいだけでしょう。もっと端的にいえば、日々の仕事に追われていれば、1年後、今と同じ場所にいるでしょう。
しかし、今とは違う1年後を望むのであれば、わたしたちは「何かを変える」と決めなければなりません。
それこそが本書でいう決断なのです。
決断というと「大きな選択」のことを決断だと考え苦手だと感じる人も多くいます。たった1回の決断で、大きく人生を変えようとすれば、うまくいかなかったことや、リスクを考えて決断のスピードが遅くなってしまうのも当然です。
転職、起業、結婚、新規事業への投資、留学など「大きな選択」があることは事実です。ところが、そうした決断をスムーズに行う人もいれば、二の足を踏んで決めることを先延ばしにしつづける人もいます。
今回の記事では、本書「決断力の磨き方」からポイントとなる3つを伝えます。
(1)大きな選択の前に、小さな決断を積み重ねているかどうか
(2)決断するものに対する「情報量」を持っているかどうか
(3)選択の先にある大きな方向性を見極めているかどうか
あらゆる決断は、たった1つで成り立っているということはありません。大きな決断の前には、いくつもの小さな決断が存在しています。
留学をするという決断をするならば、その前に、語学学習をするという小さな決断、留学についてのリスクとチャンスを調べるという小さな決断、留学するときに応援してもらえる人間関係づくりという小さな決断などがあります。
大きな決断をためらうとき、肝心なのは、小さな決断を積み重ねているかどうかによって、「小さな一歩」で大きな選択ができるかどうかが決まります。それまでその人が何をしてきたのかが問われているのです。何もしていなかった人が、急に何かを変えたくて決断しようとしても、苦しくなったり、決断ができないのは仕方がないことでしょう。
大切なのは、日々「慣れ親しんだところを出る」ということを意識することです。
いざというときに、新しいことをしようとしても、「慣れ親しんだところから出たことがない」人は、自分の思うように力を発揮することができません。本来持っている実力が、本番で発揮できない人は、日頃から自分の精神面のストレッチが足りていないことが多いのです。
新しいことをあえてする、試したことのない方法を試す、いつもより期日を前倒しで取り組んでみる、会議で言わないような発言をしてみる、など「いつもの自分だったらやらないこと」に日々取り組む人は、大きな決断をする能力があがっていきます。いつもと違う小さなことを試していくと、新しいことへの耐性もつき、許容できるチャレンジの幅も広がっていくのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授