ニュースリリース作成力強化は、広報力のみならず、経営力強化にもつながる。
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「ニュースリリース(NR)は企業を映す鏡!」これが2017年3月に出版した『ニュースリリース大全集』での新定義です。長年、NRに数多く接して分かったのは次の3点にまとめられます。
1、実に「不親切」! 記載すべき項目が欠落! 記者は一読で理解できず、問い合わせに手間取り不満が多い
2、前任者からの引き継ぎや伝統に縛られ、創造的なNRへと脱皮できていない
3、「情報を少なく記載し、問い合わせに対応」との誤った考えが大間違いで誤報の元凶!
そこで、NRのレベルアップを図るためには、広報力をつける必要があると考え、本書を企画しました。2016年4月から650以上の企業などのHPで公開済みの中から、推奨できるNRの選考を開始しました。ところが「自信がない」「人に見せるものはない」と3分の2の企業が辞退!
これには驚きました。同時にNR作成力強化の意義を痛感したのです。そこで、210の賛同企業から提供を受けた、700程度のNRから1社一つを選び、「Yes2+But1」の推奨3ポイントを付けるためにNRを1人の人物と捉え対話を試みました。すると、次第に会社そのものの「正体」が浮かび上がってくるような気がしました。
それは、会社のビジョンが明確か、情報を公開する姿勢があるか、自由闊達(かったつ)な社風か、躍動感や活力がみなぎっているか、さらに顧客への真(まこと)の思いやりや親切心、相手をおもんぱかる細やかな気配り、そして独創力や想像力……つまり、話を聞き文章を読めばその人物の識見、人格の高潔さが漂うのと同じ。そこで、広報力のみならず、経営力強化にもつながると確信したのです。
NRは公式文書ですので、重要性に応じて管理職はもとより経営幹部が承認しますが、不親切なNRを見ても気付かない鈍感さや、顧客軽視の風土こそが問題です。一事が万事、電話応対、プレゼン資料から顧客対応に至るまで、不親切に違いないと想像できます。従ってNRの改善は多様多彩な観点からの気付きを促し、広く顧客対応から仕事への取り組み方も改善し、企業風土の向上にもつながるきっかけになるでしょう。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授