ストレスに対する意識を変えると、うまくつきあえるようになる。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「どうしたら、ストレスを取り除くことができますか」と、経営者の方から、相談されました。
この相談には、2つの悩みがあります。
(1)部下の悩みを取り除きたい。
部下が悩んでいると、生産性が下がります。さらには、休職したり、離職したりすることにつながります。部下のストレスを減らすことが、リーダーの役割なのです。
(2)リーダー自身のストレスを取り除きたい。
会社で上に行けば行くほど、ストレスは減るどころか、増えていくのです。組織の中で、最もストレスを抱えるのが、経営者なのです。
ストレスに悩む人の根底にあるのは、「ストレスは、そもそもいけないものだ」という思い込みです。
少ししんどくなると、「私はストレスを感じている」と判断します。全てのうまくいかない原因を、ストレスのせいにしているのです。
ストレスには、「一流のストレス」と「二流のスレトス」があります。コレステロールに「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」があるのと同じです。
コレステロールも、昔は全てよくないものとされていました。今の医学では、コレステロールがある程度ないと、免疫力が下がったり、精神的にダウンしたりすることがだんだん分かってきました。
それと同じように、ストレスも、全くなくなるとよくないのです。ストレスに対する意識を変えると、ストレスとうまくつきあえるようになります。ストレスを味方にできれば、その人はもっと成長していけるのです。
一流のストレスを持ちましょう。
ストレスで苦しんでいる人は、自分がストレスを感じていることにすでに気づいています。上司、お客さま、仕事の量、家族、新しい環境など、全てのことにストレスはあるのです。
誰でも、初めての環境ではストレスを感じます。かといって、同じところに居続けても「退屈」というストレスがあります。刺激のないこともまた、1つのストレスなのです。そう考えると、ストレスを避けようとするより、ストレスとどうつきあうかが大切です。
ストレスをマイナスにしないで、いかにプラスにしていくかです。ストレスをマイナスにしている人は、「ストレス」イコール「よくないこと」と思い込んでいます。その思い込みが、ストレス自体より問題です。
「自分はストレスを感じている」ということが、ストレスになっているのです。
ストレスを「気持ちいい」と感じる人は、ストレスがマイナスにはなりません。ストレスをどう解釈するかで分かれるのです。
ストレスは、別の言葉に置きかえると、「負荷」です。ジムで持てる以上の重さのバーベルを持とうとしたり、マラソンに出場して前のタイムより速く走ろうとしたりするのは、全て自分に負荷をかけています。そうすることによって、その人の能力はどんどん上がっていきます。
ストレスがあるからこそ、人間は成長していけるのです。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授