舞台や映画を見て感動するのは、役者の表現方法が素晴らしいからだ。この表現方法を身に付けることで、ビジネスにおいても相手を感動させることができる。人々を感動させる表現方法を学ぶ。
ITmedia エグゼクティブ勉強会に、女優で元宝塚歌劇団月組男役だった北嶋マミ氏が登場。歌や演技のワークショップを交えながら「宝塚流、人々を魅了する表現方法」をテーマに講演した。北嶋氏は、1991年に宝塚歌劇団に入団し、「ベルサイユのばら」で初舞台。2008年にブロードウェイミュージカル「Me And My Girl」で卒業した。
現在、舞台女優として、CMやドラマ、トークショーなどに出演する他、宝塚音楽学校で学んだ立ち振る舞いや表情、表現、ボイスレッスンなどの経験を生かし、「トータルビューティープログラム」を確立し、個人からグループ、企業まで、ニーズに合わせたオーダーメイドのレッスンを展開している。
「人の感情は、何で動くのでしょうか? 視線や息づかい、声のトーンなど、五感を全て使うことで人の感情は変化します。こうした表現方法は、日々の仕事にも生かすことができます。自分自身が変化することで、自分の回りの人たち、会社や家族も大きく変化させることができるのです」(北嶋氏)
宝塚流のワークショップは、自席の回りの掃除からスタートします。北嶋氏は、「宝塚音楽学校のレッスンも、掃除から始まります。なぜ、掃除が必要なのでしょう。掃除をすると、謙虚な人になれる、気付く人になれる、感動の心を育める、感謝の気持ちが芽生える、心をみがけるという5つの効果があるのです」と話している。
掃除の次は、「ベルカント発声法」を体験する。ベルカント発声法は、イタリアのオペラで確立された伝統的な発声方法で、のどに負担をかけることなく低音域から高音域まで発声することができる。ベルカント発声法は、以下の通りで、ポイントは、とにかく力を抜いてリラックスすることである。
(1)まずは深呼吸をしてリラックスする
(2)腹式呼吸で鼻から3秒間息を吸う
(3)口から8秒かけて、おなかが背中にくっつくぐらい息を吐く
(4)息を吐きながら、笑顔で「アー」と発生する
「宝塚歌劇団に入団したときには、歌が苦手でした。3000人規模のステージでは、演技もしなければならないので、声をしっかりと出して歌わなければ表現ができないし、自分の気持ちも客席に伝わりません。悩んでいたときに、出会った歌の先生にベルカント発声法を教わりました」(北嶋氏)
ワークショップでは、ベルカント発声法により「アー、エッ、アッ、アッ、エッ」を繰り返す。次に「カメダノアラレ、オセンベイ」を繰り返す。ポイントは、口をしっかりとあけること。発声がよくなると、相手に言葉が伝わりやすくなる。このとき北嶋氏は、「すごい! すてき! すばらしい!」を連呼。ほめて伸ばすのが北嶋流。参加者の人前で声を出すのが少し恥ずかしい気持ちを、ほめて自ら演じさせようとする手腕はさすがである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授