上手に相手と協働するためには、どんな「枠組み」を基に話し行動しているかを把握することが必要。
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ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
職場の中に、別に嫌いじゃないのだけれども、「どうも話が合わない」「呼吸が合わない」「一緒に仕事をしづらい」といった人はいないでしょうか。私はいました。というより、私自身が職場の皆さんから見て、その「やりづらい人」であったと思います。
一方で、そんな私にも「すごく合う」人もいました。「合わないものの、そこそこ仕事をやれる」人もいました。なぜこの人とは合うのか、この人とは合わないのか、合わないのに仕事はできるのか、いろいろ不思議に思い、30年にわたり観察を続けてきました。本書はそのまとめとなります。
一般に人といい関係を取り持つには、しっかりと相手を尊重する、話を傾聴する、その上で丁寧に答える、などの対応をするといいといわれます。確かに、それらは役に立ちますし、必要なことです。しかしながら、人間関係を作るのが目的ではなく、利害関係の交錯する「仕事の遂行」の場面においては、ただ「相手の話をよく聞く」とか「共感を示す」とかいうのでは、ときに「ポーズ」にとどまってしまい、単なる形式的な応答スキルで終わりかねません。仕事で成果を生むためには、もっと「知的に」相手の特徴を理解し、「戦略的に」協働することが必要になるのです。
すなわち、上手に相手と協働するためには、一人一人がどんな「枠組み」をもとに話し行動しているかを把握することが必要です。つまり相手の「話の土俵」の理解が大事なのです。
土俵の作り方は人によって異なりますが、その人なりの「視点の持ち方」「思考のパターン」「行動に落とす際の重点項目」の3つの次元において、その特徴が顕著に現れます。具体的には、ミクロ的視点を重視するか、マクロ的視点を重視するか(視点)、直観から事象の意味を見いだそうとするか、事実やデータから論理的な考察をしようとするか(思考)、何をすべきかWHATを重視しようとするか、どうすべきかHOWを重視するかの違いです(行動)。
本書では、それらの3次元×2タイプをもとに2×2×2=8つの仕事タイプを抽出し、それぞれのタイプごとの得意、不得意、コミュニケーション上の問題点などを明確にします
8つの仕事タイプは以下のようになります。
(1)想像力ゆたかな小説家(ミクロ×直観意味×WHAT)
(2)創意工夫の技能者(ミクロ×直観意味×HOW)
(3)現実を見抜く観察者(ミクロ×事実論理×WHAT)
(4)頼りになる実務家(ミクロ×事実論理×HOW)
(5)時代を感じる評論家(マクロ×直観意味×WHAT)
(6)未来を創る革新者(マクロ×直観意味×HOW)
(7)正しさを求めるコンサルタント(マクロ×事実論理×WHAT)
(8)実現を目指す政治家(マクロ×事実論理×HOW)
タイプごとに仕事の遂行において何が重要だと思うか、どんなことを気にするか、どんなことなら頑張れるか、などが見事に違うのです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授