プレイヤーの時は、イキイキと仕事をしていた人が、リーダーになった途端に輝きを失っうのはなぜだろうか?
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
本書を書いた理由はプレイヤーの時は、イキイキと仕事をしていた人が、リーダーになった途端に輝きを失ってしまうのをたくさん見てきてどうにかしたいと思ったからです。
私自身、リーダーに昇格するまでは自分のペースで仕事をしてきましたので、時間の余裕がありました。それが昇格した途端、一気に変わりました。
「何でこんなに時間がないんだ」
「気付いたらもう夕方だ。今日も何も仕事を進められなかった」
特に昨今ではプレイングマネジャーがほとんどです。プレイヤーの仕事に加え、会議や作成資料がリーダーになった途端大幅に増えます。リーダーが時間をとられるのはそれだけではありません。
部下からの困った相談、部下からのミスの報告、上司からのちょっとした頼まれごと、部下との1on1、文句を言ってくる部下の話の傾聴、意見をしてくる部下との対話、数えきれない量の仕事が発生します。
「こんな状態になるならリーダーなんてならなければよかった」と、あまりの忙しさに叫びたくなったこともあるのではないでしょうか。
そう思った時、待ってください。
「時間調整はできるんです」正確に言えば、「調整できる時間はあるんです」という言い方が適正かもしれません。
私は今まで数多くの経営者・管理職に会いしましたが、成果を出している優秀な人ほど、ゆったりしていました。せわしなく仕事をしている様子がみじんも見えなかったのです。暇そうにしている人ばかりでした。
リーダーに仕事の時間を管理する「タイムマネジメント」の話をすると、「プレイヤーの時にそれはいろいろやったよ。リーダーになってまでやるのかよ」と反論したくなった人もいるでしょう。
しかし、プレイヤーの時の効率化とリーダーの効率化は種類が違います。プレイヤーの時はITスキル(単語登録、メールの定型文の作成、Excel関数やマクロを使う)や移動時間の短縮などがメインだったのではないでしょうか。
一方、リーダーになってからもそのような仕事の効率化をすることもありますが、それよりも仕事の削減のほうが多いのかなと思います。プレイヤーの時と違って、自分の権限で減らせる仕事が出てきます。
しかし、それ以上に大切と感じるのは影響の大きさです。
仮に、あなたが営業マンだとして、訪問しやすくて話は弾むけど、売上の上がる見込みのないお客さまを月に3件訪問していたとしましょう。仮に1件あたりの面談時間を1時間と仮定して計算すると、1時間×3件=3時間の削減になります。
その一方で、リーダーは、自分のチームでやっていた定例会議を月2回から1回に減らしたとします。チームメンバーはリーダーを入れて7人とします。仮に1回の会議が1時間とすると、1時間×7人で7時間の削減です。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授