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» 2019年11月06日 07時08分 公開

視点:市場で勝ち続ける新規事業を創るには〜事業仮説構築のポイント (1/2)

市場環境が移り行く中で企業が持続的に発展していくためには、既存事業のみに依存せず、常に新たな事業の柱を構想、開発していくことが必要だ。

[染谷将人,ITmedia]

 市場環境が移り行く中で企業が持続的に発展していくためには、既存事業のみに依存せず、常に新たな事業の柱を構想、開発していくことが必要だ。それでは、市場で勝ち続ける新規事業を創るにはどうしたらいいのか。ポイントは多岐にわたるが、本稿では、入口となる事業仮説の構築段階に焦点を当て、その要諦について論じる。(図A参照)

新規事業仮設の構築プロセス

1、「虫の目」で顧客ニーズを徹底的に探索する

 どのような事業にも必ず顧客が存在する。新規事業を着想する第一歩は、事業の種となる顧客ニーズを徹底的に探索することにある。そのために、対象地域・業界・顧客層といった市場にある程度あたりをつけた上で、現地・現物での顧客インタビューを徹底して行う。

 もちろん、事前にある程度のニーズ仮説を持っておくことは必要だが、仮説構築に時間を浪費してはならない。筆者の経験では、机上で作る仮説は一般論的になり過ぎるか、大きく外していることが多い。

 弊社が伴走させて頂くケースでは、例えば最初の1週間でインタビュー対象顧客の設定に必要十分な仮説構築をクイックに行った上で、2週目には顧客インタビューを開始、以降は1週間に30件程度は顧客インタビューを行う、といったスピード感で進めていくイメージである。

2、「適社性」を踏まえて応えるべき 顧客ニーズを選定し、事業仮説に進化させる

 顧客ニーズの棚卸ができたら、その中からどのニーズに応えるか、そのニーズに対してどのような価値を提供するか、自社としてどうもうけるのか、といった観点から事業仮説を練っていく。

 応えるべき顧客ニーズを選定する観点としては、そのニーズに応えることで目標とする事業規模が達成できそうか、ニーズが一過性のものではなく市場の大きな潮流を捉えたものか、といった市場サイドの考察ももちろん必要ではある。

 だが、それ以上に重要なのが、「当社として勝ち続けられる事業なのか」「そもそもやりたい事業なのか」といった適社性に関する考察である。特に、前者の持続的な競争優位に関する確信が持てなければ、「自社を主語とした」事業仮説としては成立せず、他社がやるべき事業、あるいは一般論となってしまう。

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