日々ものすごい量の情報が目の前を通り過ぎていく。とてもではないが、全てを覚えてなどいられない。そこで活躍してくれているのが「メモ」なのだ。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「その日にやるべき仕事が終わらず、残業になりがち」
「いつもたくさんの仕事に追われている気がする」
「アイデアが思い浮かばなくて困る」
こんな声をよく耳にするが、シンプルな解決方法がある。「メモ」の習慣を見直すことだ。私はフリーランスで文章を書く仕事をしているが、自分の本、さらには他の著者の本を合わせ、毎月1冊、本を書いている。
それ以外にもたくさんの人に取材してインタビューし、いろいろな記事の企画を考え、講演を行い、広告やPRに携わることもある。いったいどうやって大量の仕事をこなしているのかとよく聞かれるのだが、その答えこそ「メモ」にある。
日々ものすごい量の情報が目の前を通り過ぎていく。私には秘書はいないので、その全てをコントロールしていくしかない。しかし、とてもではないが、全てを覚えてなどいられない。そこで活躍してくれているのが「メモ」なのだ。
難しいことをしているわけではない。心掛けているのは、「とにかくメモ」「なんでもメモ」「いつでもメモ」をすること。フリーランスになって始めたこの習慣こそが、私の人生を大きく変えた。
例えば、「その日にやるべき仕事が終わらず、残業になりがち」という人は、大事なメモを怠っている可能性が高い。それは、「スケジュールメモ」だ。端的にいえば、スケジュール帳に、ちゃんとメモが書かれていないのである。
何を言っているのか、と思うかもしれないが、多くのケースで、アポイントの外出と会議や打ち合わせしかスケジュール帳にメモされていないのだ。それ以外の時間については、何をするのかメモされていない。デスクワークの時間も、仕事の時間である。なぜ、メモがなされていないのか。
私は多忙な日々を送っているが、徹夜をすることは絶対にないし、講演でもない限り、週末に仕事をすることはない。仕事がずれ込むこともない。仕事は全て、メモによってスケジューリングされているからである。
スケジュールには、外出や打ち合わせだけがメモされているのではない。デスクに座っている時間に何をするのかまで、しっかりスケジューリングする必要があるのだ。だから、そのスケジュールをこなすだけで、仕事は終わる。
基本的に私は全ての仕事を1時間に分解することにしている。それを、学校の時間割のごとく、スケジュールに組み込んでいく。あとは、それをこなすだけである。だから、「ああ、締め切りが来る、やらないと」などというプレッシャーもない。あらかじめ組み込まれたスケジュールをやれば、間違いなく締め切りまでに終わるからである。
デスクワークの時間について、きちんと「スケジュールメモ」をするだけで、終えるべき時間に仕事を終えられるようになる。「その日にやるべき仕事が終わらず、残業になりがち」になるのは、「スケジュールメモ」ができていないからなのである。
また、役職がつけば、やらなければいけない仕事はおのずと増えてくる。お客さまとのやりとりに加えて、組織についても取り組みを進めないといけない。「ああ、あれもやらないといけない」「これもやらないといけない」「あれもあるんだった」などと、次々にやらないといけないことが浮かび、疲弊してしまうという声も聞く。
これもシンプルな解決方法が、「何でもメモ」だ。そもそも人間は、いろんなことを覚えていられない、と認識しておく必要がある。そのことに気付けば、とにかくメモしよう、という意識が生まれる。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授