教わり方を考えたことがあるだろうか。教わり方を変えることで、他では手に入れにくい情報にふれ成長することができる。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。
「勉強は、ネットで十分でしょうか」と、聞かれました。
ネットは、必要です。
ただ、十分ではありません。
ネットは、学ぶキッカケです。
ネットを活用しない手はありません。
ネットは、スタートであって、ゴールではありません。
ネット→本→人と、進むのです。
ネットで調べることによって、教えてくれる人に、ネットで調べられることを、聞かずにすむからです。
今はネットで「教えてください」と言えば、なんでも教えてもらえます。
これには2つのリスクがあります。
リスク1は、生身のプロとネットの区別がつかなくなることです。
生身のプロが教えるのは、ネットでは教えてもらえないことです。ネットで教える人は、教えることを主としています。聞かれたから教えているという人ではないのです。
リスク2は、ネットで調べたり、検索すれば分かることを、生身の人に聞いてしまうことです。
「授業料を払っているので、先生は教えるべき」「上司は部下に教える義務がある」という感覚の人は、ネットでワンクリックで調べられることを聞いて、プロにしか教われないことを聞くチャンスを逃します。
私が取材を受ける時は、取材時間30分の中で、できるだけどこにも書いていないことを話したいのです。
その時に、まず、私の生年月日とか出身地から聞く人がいます。そんなことは、ネットで調べればいくらでも出ています。
これと同じことをしないようにします。
ネットには絶対出ていないことを教わらないと、損なのです。教える側も、ネットに出ていることを教えていると、リスペクトを得られなくなります。
例えば、企画書をチェックしてもらう時に、上司に「これはなんでこうなっているの?」と聞かれたとします。ここで「これはまだラフなんで」と言い訳する人がいます。この人は、学べなくなります。
自分のベストの状態のものを持っていって、それに赤を入れてもらうことで、納得の行く学びと成長があるのです。「これはまだたたき台なんで」「それは私も直そうと思っていました」と言う人は、成長できなくなるのです。
自分のベストを直されることで、自分では気付かなかったところが分かります。中途はんぱなものを持っていって直されても、「それは自分でも気付いていた」という甘い認識になります。
その人は、永遠に間違いに気付かなくなるのです。自分で、納得していない状態で、見てもらわないことです。言い訳の余地があると、成長できないのです。
「企画書を書いたので、ちょっと見てもらえますか」と言う人がいます。二流は、それが失礼な言い方であることに、気付いていません。
これは、善意に解釈するならば、「あまりお時間をとらせてはいけないので、短い時間でいいですから見てください」というつもりだったのです。それと同時に、「どうせ見るのにエネルギーなんていらないでしょう」というニュアンスも生まれます。
教える人は、全力を傾けて教えています。「ちょっと見る」ということは、できません。教わる人が「ちょっと」、教える人が「全力」という温度差があるのです。
これで相手に対するリスペクトがなくなります。全力をかけて添削したものを「ふーん」と言って受け取ってしまうのです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授