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» 2022年02月16日 07時03分 公開

第4回:タイム・イズ・マネーからタイム・イズ・ハピネスへ仕事と自分を成長させる新しいキーワード「スモール・ハピネス」(1/2 ページ)

スモールハピネスなしで、パフォーマンスのことを主に考えることから、日常生活や仕事の中で、スモールハピネスとの付き合いを重ねていこう。

[キャメル・ヤマモト,ITmedia]

 今回は、「日常的な時間」から生まれるスモールハピネスの例を紹介したい。

家事と用事でスモールハピネスを生み出す〜皿洗いはスモールハピネスの源〜

 外資系企業で成功している経営者の澤尾さんはスモールハピネスについてこう語りました。

 スモールハピネスの話をきいてまず浮かんだのは皿洗いです。あるときから夕食後の皿洗いをしています。数が多くても5分から10分で必ず終えることができるし、反復動作だからストレスはない。配偶者からほめられるし、自分でも達成感があります。食器がきれいになること自体気持ちがいいです。

 皿洗いは、毎日繰り返していても、ほめられることや達成感やきれいになってすっきりすることに変わりはありません。毎日味わうことができるというスモールハピネスの要件を満たしています。ちなみに、「仕事上のスモールハピネスの例もありますか」とたずねましたが、「キャメルさんのスモールハピネスの説明をきいているとき、すっと浮かんだのは皿洗いです。仕事も楽しんで取り組んでいますが、毎日味わうハピネスの型にふさわしいのは、僕の場合、皿洗いの右にでるものはない、と改めて確認しました」とのこと。

 この話をきいてキャメルはこう思いました。

 辣腕経営者の澤尾さんが、日々の皿洗いにスモールハピネスを見いだす姿はほほえましい。同時に、澤尾さんにいわれてみると、確かに皿洗いはスモールハピネスを生み出す作業として優れものだ、なるほど、と気付きました。

 ふと、皿洗いは、自動食洗器で自動化されると失われる単純作業であることにも気付き、自動化の範囲がさらに広がる時代の中で、スモールハピネスの領域も小さくなるなと感じました。

日常的なことがスモールハピネスを生み出す

 正社員兼主婦兼母の有希さんからこんな話をききました。朝、日中、晩、それぞれでスモールハピネスを味わうチャンスがあります。

 朝は、限られた時間に、必要な家事を思い通りにすすめられたときや、天気がよくて洗濯物を干せることも含まれます。

 日中では、例えば、宅配便がきたとき自分で受け取ることができたらスモールハピネスを感じます。というのも、最近、日中はほとんど自宅でテレワークをしているので、宅配便がきても出ることができないことが結構多いからです。それだけに、休憩時間などナイス・タイミングで配達されるとスムーズに受け取ることができてちょっとうれしい。その他、雨が降る直前に洗濯ものを取り込めたときもラッキーだと思います。

 夜は一日を振り返り、段取りよく仕事も家事も全て無事終えられたとき、ほっとしてハピネスを味わいます。

 この話をきいたキャメルはこう思いました。

 巣ごもり生活の中で、自分も家事を観察したり、少々分担したりするようになり、少しですが家事が身近になりました。それもあって、有希さんのように一人三役をこなすことの大変さと、そういう中でスモールハピネスと親しく付き合うことの大切さを改めて認識しました。マルチタスクをこなしつつ、さまざまな場面でちょっとしたハピネスを味わえる人は、まさしく上級者といえるでしょう。

週末の時間割変更がスモールハピネスを生み出す

 コンサルティング企業の幹部社員の柳一さんからこんな話をききました。

 ずいぶん前からゴルフをやっていますが、最近、段取りを変えました。以前は、朝9時スタート、ランチをゴルフ場で食べて、午後のラウンドを回り、家に帰る と午後5時、という段取りでした。

 今は、朝3時半に起きて、午前6時にラウンドをスタート。18ホール回っても、午前11時過ぎに終了。ランチは、友人と事前に調べておいて、ゴルフ場からの帰り道で、ちょっと高くておいしいものを食べます。行きも帰りも渋滞がない。

 家に帰るのは午後1時前。その後は家族とも過ごせるので、家族からも好評です。早起きも、年を重ねたおかげか大丈夫。始動時間のみを変えたのが、全てのことがピタゴラス的な一致状態にうまくはまりこ んだのです。

 この話をきいてキャメルはこう考えました。

 コンサルティングで仕事にしてきた企業変革では、あれも変え、これも変え、それも変えと、散々苦労した揚げ句、全体を足し合わせてみるとさほどの効果は出なかったということも少なくありませんでした。特に、習慣となっている行動はなかなか変え難いことが障害となります。

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