ビジネスの特性にはいろいろなものがあるが、「経験」と「EQ」と「IQ」この3つが高いとビジネスの成功率が高いということが分かっている。しかしこれらの組み合わせによる失敗率の比較に面白い結果が見られた。
エグゼクティブの皆さまが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。
前々回、前回に続き、いまグローバルのトップクラス経営者たちから2020年代の必須ビジネススキルとして認識されている「EQ(Emotional Intelligence Quotient、心の知能指数)」について、株式会社EQ会長の高山直さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談の内容からお届けします(2022年10月13日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:EQを高めて経営者力を発揮する!」)。
ここで一度、EQについて概括を紹介しておきます。
EQ(EQI)には24の因子があり、その24因子は大きく「心内知性」「対人関係知性」「状況判断知性」の3つの区分けがされています。
「心内知性」は自分自身を知る力。「対人関係知性」は自分を他者に伝えていく力。「状況判断知性」は逆に、いろいろな人たちのことをちゃんと受け取っていく力です。この3つでEQは成り立っています。どうでしょう、この3つの区分け、とても分かりやすいと思いませんか。
24因子の中でおさえておきたい因子として、「抑うつ性」(過去に対して悔いを持つ人か否か)と「特性不安」(未来の不透明感に対して不安を抱く人か否か)、「社会的自己意識」(自分が周囲からどう見られているか)、「感情的非影響性」(相手の感情に影響を受けやすいかどうか)、一般的なワードにもなっている「セルフ・エフィカシー」(気力総出力、自己効力感)、「情緒的安定性」などがあります。
これらについて知りたい、EQ活用について簡単に知っておきたいという人は、解説冊子が無料でダウンロードできますのでご活用ください。
高山さんはトークライブの中で、EQとビジネスの成功の相関関係についての調査事例を紹介してくれました。
出典はグローバルエグゼクティブサーチファーム、エゴンゼンダーのフェルナンデス・アラオス氏の著書『人選力』からで、この本の中でEQの特長がものすごくうまく書かれているのです。これを高山さんなりに整理してまとめた話です。
ビジネスの特性にはいろいろなものがありますが、結局この3つが高いとビジネスの成功率が高いということが分かっています。それは、「経験」と「EQ」と「IQ」です。
成功要因の特性として一番高いのは「経験」です。経験はなんと70%。経験豊富な人が成功しています。EQは63%、IQは50%です。
ところが一方で、経験豊富でも失敗する人が83%もいるのです。おそらくは、成功体験に縛られるということでしょう。成功体験に固執すると83%も失敗してしまう。高山さんは、「変化に適応し続けないと成功は続かないということですね」と解説します。
さらに、IQが高い人は半分成功している(50%)けれども、半分以上失敗している(65%)のです。
そこで興味深いのが、EQです。EQが高いと失敗はゼロなのです! 「EQを使うと、人から助けられる、支援される。人間関係がすごく広がってくるのが理由なんですけど、EQが高いと失敗しないんですね。これが他と違う」と高山さん。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授