グローバルの人材会社であるアデコ社が2020年に、世界8カ国で「パンデミック後に何が変わるか」を調査した結果「これからはEQの高いリーダーが求められる」とある。さて日本では……。
エグゼクティブの皆さまが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。
前回に続き、いまグローバルのトップクラス経営者たちから2020年代の必須ビジネススキルとして認識されている「EQ(EmotionalIntelligence Quotient、心の知能指数)」について、株式会社EQ会長の高山直さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談の内容からお届けします(2022年10月13日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:EQを高めて経営者力を発揮する!」)。
グローバルの人材会社であるアデコ社が2020年に、世界8カ国で「パンデミック後に何が変わるか」を調査した報告書を出しています。そこに「これからはEQの高いリーダーが求められる」と記載されているのを、高山さんが目にしました。
アデコ社はEQを「共感とサポートの姿勢を重視したリーダーシップ」と定義していて、それに関して世界の74パーセントが「その通りだ」と回答。
これを見ると、おおむね各国ともに70%台から80%台であるのに対して、日本だけが突出して低い。55%です。
この結果について、日本におけるEQの導入・普及の第一人者である高山さんのところにインタビューが来たそうです。なぜ、日本は低いのか、と。
高山さんいわく、「欧米の場合は自分のキャリアは自分で作り、キャリアアップして収入も上げていくので、世界の動きをいつもチェックして経済フォーラムもウォッチしています。だから「これからはEQだ」と言われたら、彼らはEQを学びにいきます。日本の場合は、会社を通して知る。人事部主催の研修や講演などがEQを知るきっかけとなります。
要するに、EQの認知度の低さが理由だと私は回答しました。でも私的には悔しくて、日本のマネジャーやリーダーに敬意を表して、もう1つの考え方として日本ではこれは当たり前で、「経営者は従業員を家族と思っている。何を今更当たり前のことを言ってるの」と思っている部分もあります、と答えたら、大ひんしゅくで(笑)」
この高山さんの回答を見た(日本の)人たちから、「そんな経営者はいない」「そんなリーダーはいない」「リーダーが足手まといだ」「リーダーがパソコンができなくて、なんで僕らがしなきゃいけないんですか」という反論が山のように寄せられたとのことで……。
残念ながら、日本はまだまだ、EQ型リーダーを求める姿勢は弱いのかもしれません。
トークライブでは、高山さんがアメリカのトップカンパニーのCEOのメッセージを集めて5つの共通項に整理したものを紹介しました。
非常に興味深いですね。「リーダーは弱さを受け入れろ」「正直になれ」「心を開け」「本心と本音」。オーセンティックリーダーシップ、あるいはサーバントリーダーシップといわれるものに通じると思います。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授