宇宙航空研究開発機構は、昨年9月に打ち上げられ、機器や装置の性能確認を兼ねた初期段階の運用を行っているX線天文衛星「クリズム」が撮影した銀河団や、超新星爆発の残骸の画像を初公開した。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、昨年9月に打ち上げられ、機器や装置の性能確認を兼ねた初期段階の運用を行っているX線天文衛星「クリズム(XRISM)」が撮影した銀河団や、超新星爆発の残骸の画像を初公開した。
クリズムは、星や銀河の間を風のように吹き渡っているが可視光では見えない「高温プラズマ」が放つX線を撮影した。地球から約7億7000万光年離れた銀河団「Abell2319」の画像では、数千万度で渦巻く高温プラズマの様子が紫色の輝きで鮮やかに浮かび上がった。また、大マゼラン星雲の超新星残骸「N132D」の画像からは、過去の観測では見つかっていなかった元素の存在が新たに確認された。
クリズムを利用した研究を統括するJAXAの田代信特任教授は記者会見で、「あまりに素晴らしい画像で、鳥肌が立った。今後の本格的な研究の成果が楽しみだ」などと語った。
高温プラズマの分布は、宇宙に広く存在しながら可視光でもX線でも観測できない「暗黒物質(ダークマター)」の分布を反映するとされる。そのため、高温プラズマの観測は、宇宙で作り出される物質やエネルギーの成り立ちや、天体の進化の解明につながる。
2月以降、クリズムは本格的な運用に移行。X線で宇宙を観測する「X線天文学」の、世界に開かれた天文台として、銀河の形成や元素の進化などの解明を目指す国際共同プロジェクトなどに利用される。
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