島津製作所がクラフトビール共同開発 分析機器で香りや味を調整

島津が飲料を共同開発するのは初めて。島津製の分析機器を使い、酵母が持つ香りや味の特長を引き出しており、スパイシーな香りとかんきつ系のようなフルーティーな味わいのビールに仕上げている。

» 2024年01月24日 08時55分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 島津製作所は23日、クラフトビールなどを手掛ける二軒茶屋餅角屋本店(三重県伊勢市)と共同で開発したビール「香調(こうちょう)」を同日から限定1千本で販売すると発表した。島津が飲料を共同開発するのは初めて。島津製の分析機器を使い、酵母が持つ香りや味の特長を引き出しており、スパイシーな香りとかんきつ系のようなフルーティーな味わいのビールに仕上げている。

島津製作所が分析機器を活用して共同開発したビール「香調」=京都市中京区

 東京・港区の「旧新橋停車場」付近の木瓜(ぼけ)の実から採取した「BOKE酵母」の特長を島津のクロマトグラフ質量分析計などを使って香りと味の二つの側面から分析した。まず香りを分析したところ、カレーのようなスパイシーな成分が非常に多いことが分かり、特徴的な香りを生かす味わいを目指すことが決まった。

 次に試験醸造したサンプルを分析すると特定のアミノ酸が少ないことが判明。原料に小麦とオーツ麦を加えてアミノ酸の供給量を増やしてやることで発酵を促進し、安定したバランスの取れた味を実現した。

 開発に携わった島津分析計測事業部の武守佑典氏は「香りをテイスティングする専門家はいるが、人の舌でアミノ酸の量を判断するのは難しい。分析機器を使うことで、これまでにないアプローチでビールを作ることができた」と話した。

 香調は1本330ミリリットルで価格は税抜き600円。二軒茶屋餅角屋本店のサイトで購入できる。(桑島浩任)

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆