レーザーで宇宙ごみ除去 スカパーJSATが新会社 11年度に投入へ

衛星通信大手のスカパーJSATは30日、人工衛星からレーザーを照射して宇宙ごみを除去する商業サービスを世界で初めて行う同社発スタートアップ企業「オービタル レーザーズ」を設立したと発表した。

» 2024年02月01日 09時14分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 衛星通信大手のスカパーJSATは30日、人工衛星からレーザーを照射して宇宙ごみを除去する商業サービスを世界で初めて行う同社発スタートアップ企業「オービタル レーザーズ」を設立したと発表した。新会社は令和11年度にサービス開始を目指す。

 人工衛星は理化学研究所などと協力して開発。宇宙ごみに接近してレーザーを照射し、宇宙ごみの回転を止めた上で徐々に押し出しながら高度を落とし、大気圏に突入させて燃やす。

レーザーを生み出す電力の確保や、宇宙空間での適切な冷却などが課題だったが、技術的なめどがついたという。

 一方で新会社は、人工衛星の開発と別に、宇宙ごみの捕獲を目指す事業者向けに、宇宙ごみの回転を止めるためのレーザー照射装置の販売も7年度に予定する。スカパーJSATの米倉英一社長は記者会見で「さらなる事業領域の拡大を目指したい」と話した。

 宇宙ごみは、使用済みの人工衛星やロケットの残骸などで、大きさが1センチ以上のものは100万個以上に達する。有人機や人工衛星などに衝突して深刻な被害を与える恐れがあり、宇宙空間の利用を妨げかねない。

 特に近年、多数の小型衛星を一体的に運用する衛星コンステレーションに注目が集まり、宇宙ごみのさらなる増加が懸念されている。

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