プロダクトアウトではなくマーケットインで、徹底的に今の顧客をしっかりと捉え、全社、全機能、全員がマーケットインで動けているかどうかが大事だ。
エグゼクティブの皆さんが活躍する際に発揮するマネジメント能力にスポットを当て、「いかなるときに、どのような力が求められるか」について明らかにしていく当連載。
高付加価値経営や生産性の高い組織開発をどのように実現するかについて、ベストセラー『付加価値のつくりかた/一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質』の著者、カクシン代表取締役CEOの田尻望さんと当連載筆者の経営者JP代表・井上との対談の内容からお届けする第2回です。(2023年11月16日(木)開催「経営者力診断スペシャルトークライブ:キーエンスに学ぶ!高付加価値経営はこうして実現する」)
田尻さんは、よくクライアントから「(うちは)特殊な業種なんです」と言われるそうですが、特殊な業種ほど付加価値UP策を実行しやすいですねと言います。
それは、単に自分たちや業界が特殊だと思い込んでいるだけで、思考停止しているケースがほとんどだからなのです。
他の同業・競合会社が思考停止の状態で「とりあえずお客さまに言われたら、頑張る」のであれば、そういった会社で頑張っている5%の人たちを恐れる・敵にする必要はありません。なぜなら95%の(日和っている)特殊だと言っている人たちは、「特殊だから頑張っても意味がない」と思っているからです。
「でも、これから話す価値創出の流れを教えてあげて、前向きに行動した瞬間に“えっ、うちでもこんなことができるんですね”となる。そこで顧客ニーズ起点で考えて一歩踏み出すことで勝てる。特殊な業界と言われたらラッキーと思うのはそういうことです。“そんなに特殊なんですね”ということは“御社が動き出せば勝てますね”という話なのです」(田尻さん)
田尻さんは、プロダクトアウト(商品開発や生産、販売活動を行う上で、顧客のニーズよりも企業側の理論を優先させること)ではなくマーケットインで、とにかく徹底的に今の顧客をしっかりと捉え、しかもある一部の組織だけではなくて、全社・全機能・全員がマーケットインで動けているかどうかが大事だと言います。
お客さま・市場に対してコンサルティングセールスがニーズの探索をし(1)、商品の企画者が価値を創出し(2)、商品開発が実現をし(3)、販売促進が価値展開(4)、つまりマーケティングをし、そしてセールスがお客さまに対して価値を実現しにいきます(5)。
こうしてみれば当たり前のプロセスですが、逆に言うと「これ以外に何かあるんですか」というのがポイントだと田尻さんは言います。これは全てお客さまからのニーズ起点から全社でマーケティングをしていて、全てニーズ起点なバリューチェーンになっているのです。
常に「お客さまが欲しがっているものは何か」「気付いていないけれど欲しがっているものは何か」を読みます。ある意味、これが唯一であり全てです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授