メタバースに、既存のキャンパスと連動した第4のキャンパスを構築。立地や距離、時間を超越した生涯学習や社交、相互作用の場として大学を進化させていく。
今年創立100周年を迎える武蔵野大学は、教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる。メタバース(インターネット上の仮想空間)に、既存のキャンパスと連動した第4のキャンパスを構築。立地や距離、時間を超越した生涯学習や社交、相互作用の場として大学を進化させていく。
仮想空間には実際のキャンパスと同じ建物があり、いつでもどこからでもオンライン登校できる。教室では学生が議論しているが、実際は全員が違う場所に。別の階では広報担当が取材対応中だが、記者はカメラを通じて離れた部屋の職員ともあいさつできた。ウェブ会議システムと異なるのは、建物内での縦横無尽な移動感覚とちょっとした交流も可能にする利便性だ。
「コロナ禍でウェブ会議が進展したが人との持続的なつながりが希薄になり、孤独を感じるという声があった。何げない会話といった日常はキャンパスの重要な役割」。同大スマートインテリジェンスセンター長の林浩一教授は指摘する。
そうした声に対応できる学修環境としてたどりついたのが、大学を生涯教育拠点にするスチューデント・リレーションシップ・マネジメントの考え方。入学前から社会人の学び直しまで個々の学修履歴を蓄積し、つなぐ教育支援を行う。距離や時間の制約がないメタバースキャンパスは、その拠点に最適だ。
令和6年度に通信教育部で始動する予定で、林教授は「デジタル技術を活用し、集う人が相互作用し、教室のあり方や学び方を転換していく時期に来ている」と話している。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授