日本メーカーがEVを本格投入する8年以降に向けて、大阪工場の生産性向上や国内工場の事業転換を進めて生産能力を引き上げる。
パナソニックホールディングス(HD)の楠見雄規社長は21日までに産経新聞などのインタビューに応じ、電気自動車(EV)向け車載電池の国内生産能力を、令和12(2030)年に現状の2〜3倍程度に拡大するとの見通しを示した。日本メーカーがEVを本格投入する8年以降に向けて、大阪工場の生産性向上や国内工場の事業転換を進めて生産能力を引き上げる。
楠見氏は「8年、9年に日本国内の需要が増えれば(車載電池事業の)収益は改善する」と述べた。SUBARU(スバル)やマツダと電池供給に関する協業基本契約を結んでおり、12年には日本で生産する電池の80%以上を国内向けに供給するとしている。楠見氏は「私たちに価値を見いだしてくれる顧客がいる」と強調した。
一方、5年度の車載電池事業の実績は米カンザス州の工場立ち上げ費用に加え、米EV大手テスラからの受注減少によって収益が悪化。6年3月期連結決算では米政府の補助金が利益を押し上げたが、補助金を除くと、車載電池事業の営業損益は赤字だった。
車載電池の不振は6年度を最終年とする中期経営計画にも影響を及ぼしており、パナソニックHDが掲げた4〜6年度の累積営業利益1.5兆円などの目標は未達となる見込み。楠見氏は「期待に応えることができていない危機的な状況と認識している」と述べている。
ほかの事業に関しても、今後1〜2年かけて適切な規模や収益力を見極めるとの見解を示した。ただ、テレビ事業については「家電の立ち位置を考えると(製品を)そろえておくのが大事」などと述べ、ほかの事業とは別の時間軸で改革を進めるとした。
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明治学院大学 経済学部准教授