4月に日本で始まった、一般ドライバーが有償で乗客を送迎するライドシェア事業で、サービスを提供する配車アプリの陣営図が明確になってきた。
4月に日本で始まった、一般ドライバーが有償で乗客を送迎するライドシェア事業で、サービスを提供する配車アプリ会社の陣営図が明確になってきた。タクシー大手、日本交通系のGO(東京)やウーバージャパン(同)などに続き、スタートアップ(新興企業)のnewmo(ニューモ、東京)がこのほど大阪のタクシー会社を買収。7月中の事業開始を計画する。ただ、日本版ライドシェアには厳しい規制がある。ビジネスとして成り立ち、利用者の足として定着するのか注目される。
ニューモは7月4日、大阪府守口市に本社を置くタクシー会社の未来都(みらいと)の全株式を取得したと発表した。ニューモはすでに出資しているタクシー会社、岸交(大阪)、未来都と連携して、7月中旬にも大阪府で数十台規模のライドシェア事業を始める。
ニューモは、フリーマーケット大手のメルカリで国内事業を統括していた青柳直樹氏が今年1月に設立した。ベンチャーキャピタル(ベンチャー企業に投資するファンド)などから資金を調達し、既存のタクシー会社への出資を通じてライドシェア事業を拡大する戦略を描く。
ニューモは車両を呼ぶためのアプリ提供やライドシェアの運転手募集などの業務を担い、車両の管理や運転手の教育などはタクシー会社が行う。各タクシー会社の名称は変わらないという。
日本でのライドシェア事業をめぐっては、サービスを提供する配車アプリの陣営の構図が鮮明になりつつある。
4月にはGOとウーバーが、6月にはDiDiモビリティジャパン(東京)がサービスを始めた。各社はタクシーの配車アプリを通じ、時間帯などに応じてライドシェア車両が配車されるサービスを提供している。
ただ、日本版ライドシェアには独自の厳しい規制がある。参入できるのはタクシー会社のみ。サービスを提供できる地域や時間帯、車両台数などが厳格に制限されており、各社とも事業規模は限定的だ。
例えば大阪市とその周辺自治体では現在、土曜の午前0〜3時台、金、土曜の午後4〜7時台にのみライドシェア車両の運行が認められている。タクシー会社にとっては「あくまでも、車両が不足する時間帯を補完する位置づけ」(日本交通)だ。
大阪では、来年4月の大阪・関西万博の開幕を視野に、吉村洋文知事が政府に対し、万博に合わせて府内全域で時間や台数の制限なく運行できるよう規制を緩和することを要請している。ただ、実現するかは不明で、万博以後の需要も見通せない実態がある。(黒川信雄)
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