先進レーダー衛星「だいち4号」初の観測画像を公開 詳細な色分けで地表の状況容易に把握

宇宙航空研究開発機構（JAXA）は31日、日本の次世代主力ロケット「H3」3号機で7月1日に打ち上げられた国の先進レーダー衛星「だいち4号」が、初めての観測で地表を撮影した画像を公開した。

[産経新聞]

　宇宙航空研究開発機構（JAXA）は31日、日本の次世代主力ロケット「H3」3号機で7月1日に打ち上げられた国の先進レーダー衛星「だいち4号」が、特殊なレーダーによる初めての観測で地表を撮影した画像を公開した。

先進レーダー衛星「だいち4号」が観測した富士山周辺の画像（JAXA提供）

　公開されたのは、特殊な電波を使う最新鋭のレーダーで15日に撮影した、富士山周辺や東京都心部などの画像。緑色の部分が植物が生えている場所で、明るい紫色や黄緑色が市街地、暗い紫や黒は土がむき出しになった場所や水面などを表している。

先進レーダー衛星「だいち4号」が観測した東京都心部の画像（JAXA提供）

　細かくはっきりした色分けによって、地表の状況を容易に判断できる。そのため、災害発生時の素早い状況把握や、森林伐採の監視、海に漂う氷の分布など、私たちの暮らしに身近な多様な観測への活用が期待される。

　だいち4号は、先代のレーダー衛星「だいち2号」に比べて性能が大幅に向上。天候や時間帯に左右されず、幅200キロの範囲で地上を観測し、大きさが3メートルの物体を見分けられる。