動くデジタル広告で感動届ける モーショングラフィックスデザイナー、高山大輝さん

図形や文字が動き、映像でイメージを伝える「モーショングラフィックス」。ちょっと難しい名前だが、テレビやネット、街中のデジタル広告などで誰もが目にしている。

» 2024年11月26日 07時04分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 図形や文字が動き、映像でイメージを伝える「モーショングラフィックス」。ちょっと難しい名前だが、テレビやネット、街中のデジタル広告などで誰もが目にしている。こうした映像を企業などから受注して制作。世界遺産・姫路城でのプロジェクションマッピングも手掛け、活動の幅を広げている。

モーショングラフィックスエディターの高山大輝さん(川村寧撮影)

 モノ作りが好きで、高校時代から映像作品を動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿していた。進路を考えているころ、母親が「OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校」で「ネット動画クリエーター専攻」が創設されることを見つけた。「新しいものが大好き。一期生やん、行くしかない」と飛び込んだ。

 同校で3年間学び、神戸市の映像制作会社で2年働いたあとフリーの道に進む。広告の仕事で重要なのはコミュニケーション能力という。「スキルは1、2年で身につけられるが、クライアント(依頼者)の意図をくみ取って形にしていくことが重要」。一般的に自分の作りたいものを作るアート作品に対し、広告では依頼者の求めるものと自分の作りたいものを近付ける必要がある。人と話すのが大好きという性格が、クリエーターとビジネスの融合を可能にしているようだ。

 人とのつながりが次の仕事を生む。在学中に地元の姫路城でアルバイトをしていた人脈から、プロジェクションマッピングという大きな企画を依頼された。現在、同校で講師を務めているが、こちらも在学中から培ったつながりからだ。

 「自分のやりたいこと以外はしたくないという人もいるが、何でもやってみるほうがいい。そこから人のつながりが生まれて今につながっている」。学生アルバイト時代にイベント設営で汗をかいた姫路城で、数年後にはプロジェクションマッピング制作という大仕事を実現させただけに、説得力を感じる。

 普段はパソコンに向かって作業する地味な仕事というが「カッコイイ」映像が完成したときの達成感、見た人が感動しているときの充実感がやりがいだ。「自分の作った映像をみた人が『すごーい』と言ってるのを見ると、『作ったのオレ、オレ』と心の中で思ってます」と笑う。

 フリーで活動して3年が経過し、近い将来の目標は会社設立だ。「大きな仕事をするには看板や信用も重要。仲間と一緒にワイワイやるのも好きなので来年くらいには……」と次の夢を語る。(中野謙二)

 モーショングラフィックスデザイナーになるには 特別な資格はなく独学でもスキルは学べるが、専門学校では基礎を超えた技術、疑問点などを学べ、上達速度は速いという。就職先は映像制作会社など。

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