世界74カ国・地域から約3000社が出展。日本国内からは、輸出に注力する中小事業者や大企業の社内起業制度を活用した新規ビジネスなどの展示が目立った。
アジア最大級の食品・飲料展「フーデックスジャパン2025」が11日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕した。世界74カ国・地域から約3000社が出展。日本国内からは、輸出に注力する中小事業者や大企業の社内起業制度を活用した新規ビジネスなどの展示が目立った。
展示会には、農産品の生産が盛んな欧州の乳製品やフルーツをはじめ、米国や南米の牛肉などに注目が集まった。今回は食事の味を引き立てやすいワインが市場をけん引すると予想され、特設展示が設けられた。ワインを生産する各国はノンアルコールや低アルコールワインをアピールした。
国内の企業では、地方の特産品などを扱う中小食品メーカーが輸出機会をうかがっており、海外のバイヤーに冷凍食品などを売り込んでいた。日本貿易振興機構(JETRO)の相談窓口担当者は「お茶など、手軽に輸出できる食品メーカーからの相談が多い。中小企業の個人輸出に関するものも多く、日本食が普及しているアジアや東南アジアを紹介している」と話す。
国内で価格高騰が続いているコメでは、USAライス連合会が米カリフォルニア産の「カルローズ」をPR。担当者は「問い合わせが増えている」と話していた。
このほか、京セラの新規事業、食物アレルギー対応サービス「matoil(マトイル)」が出展。ホテル向けに、食物アレルギーやビーガン(完全菜食主義者)向けのコース料理のキットを提供するサービスで、社内の起業公募で立ち上がった。
発案者は、スマートフォンなどのデザイナーだった谷美那子さん。自身に食物アレルギーがあり、旅行先の食事で苦労したことから事業を提案したという。サービス開始から3年が経過し、人手不足のホテルでパーティーやファミリー向けのコース料理として採用され、修学旅行向けやインバウンド(訪日客)向けにまで広がっているという。(高木克聡)
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