トヨタ自動車は12日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。10日に最終合意した傘下の商用車大手、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合について問われた豊田章男会長は「(国内トラック業界が)実質2グループになる大編成が民間主導でできた」と意義を強調した。
トヨタ自動車は12日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。10日に最終合意した傘下の商用車大手、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合について問われた豊田章男会長は「(国内トラック業界が)実質2グループになる大編成が民間主導でできた」と意義を強調した。総会では豊田氏や佐藤恒治社長の再任を含む取締役の選任や経営の監督機能を強化する「監査等委員会設置会社」への移行など全6議案を可決し、終了した。
総会では、2024年の前回の総会直前に発覚した車の量産に必要な「型式指定」の認証不正問題に関して、再発防止策の進捗(しんちょく)なども株主から質問が出た。中嶋裕樹副社長は問題の反省を踏まえ、経営陣がしっかり現場に足を運ぶようになったと説明。取り組みは道半ばで「風土改革に終わりはない」と理解を求めた。
佐藤氏も社長就任後、「一番心に入ってきたのは認証(不正)の問題」と吐露。「仲間の力を最大限発揮できるような基盤をつくる」と語った。
一方、今回の総会では、トヨタグループが約4兆7千億円をかけ、源流企業である豊田自動織機の株式を非公開化する計画に対し、経営陣の説明を期待する声も株主から上がっていた。ただ、経営陣から言及はなく、参加した株主からの質問も出なかった。
静岡県浜松市の男性株主(42)は「グループ再編がどうなるかは関心がある」と話した。ただ、トヨタも出資する豊田織機の株式非公開化について、「現時点で何か問題という印象はない」と語った。
愛知県刈谷市の男性株主(75)は「海外の株主などによる買い占めのリスクからグループを守るうえで非常にいいことだ。トヨタからの説明も十分なされている」とした。
非公開化の計画では、グループ各社の株式を保有するトヨタ不動産が中心となり持ち株会社を設立。豊田織機に対し株式公開買い付け(TOB)を実施する。トヨタは持ち株会社に議決権のない優先株で約7千億円、豊田氏個人も10億円を出資する。
総会に出席した株主は過去最多の6752人で前年から4割強増えた。所要時間は昨年より4分短い1時間47分で、13人から13問の質問が出た。(永田岳彦)
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