個人向け金融サービス「エムット」を経由した新規口座開設とクレジットカードの発行について、2026年度にそれぞれ100万件を目指す目標を明らかにした。銀行や信託銀行、証券といったグループの金融サービスにすぐつながる利便性を訴求して、利用頻度を増やす戦略だ。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の亀沢宏規社長は4日までに産経新聞のインタビューに応じ、個人向け金融サービス「エムット」を経由した新規口座開設とクレジットカードの発行について、2026年度にそれぞれ100万件を目指す目標を明らかにした。銀行や信託銀行、証券といったグループの金融サービスにすぐつながる利便性を訴求して、利用頻度を増やす戦略だ。
MUFGは6月2日、個人向け金融サービスのブランドをエムットに統一。まず三菱UFJ銀行のアプリを刷新し、資産運用などグループ各社のサービスをワンストップで使えるようにした。
ポイントサービスを強化した効果もあり、6月のクレジットカード発行件数は前年同月の約2倍に拡大。亀沢氏は「反響はいい」と手応えを語った。
「金利のある世界」に戻り、メガバンクグループ各社は個人向けサービスを強化している。他社はグループ外の金融機関とも積極的に連携しているのに対し、MUFGは「金融機能については自社で持つ」(亀沢氏)ことで収益化を急ぐ。
海外でも個人向けビジネスで攻勢をかける。アジアを「第2のマザーマーケット」と位置づけ、東南アジアの配車サービス最大手グラブ(シンガポール)を始め、デジタル金融に出資してきた。
亀沢氏はこうした出資が「いよいよ収穫期に入った」と語り、アジア市場での収益のうちデジタル金融で稼ぐ割合を、現在の数%から5年後をめどに2割程度に高める計画を示した。
今後は人口が多く、高度経済成長が期待されるインドでのビジネスに注力する方針で、ノンバンクやデジタル金融への出資などを検討していく考えも明らかにした。(米沢文)
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