記録的な猛暑の影響で、エアコンの需要が高まっている。日本冷凍空調工業会(JRAIA)によると、4〜6月の家庭用エアコンの出荷額は前年同期比13.3%増の3153億円で、2000年代で最高となった。
記録的な猛暑の影響で、エアコンの需要が高まっている。日本冷凍空調工業会(JRAIA)によると、4〜6月の家庭用エアコンの出荷額は前年同期比13.3%増の3153億円で、2000年代で最高となった。これまで冷房が不要だった地域の新規需要や省エネ性能の高い上位機種を購入する人が増えていることなどが影響したとみられる。
例年、エアコンの需要は7月ごろにピークが来ることが多い。しかし、気候変動の影響で今年は日本国内の6月の平均気温が観測史上最高となり、ピークが前倒しとなった。
家電量販店のジョーシンによると、省エネ性能の高い上位機種と安価な機種の両方が売れているといい、担当者は「電気代を安く抑えたいという要望と、これまで設置していなかった部屋への新規需要がある」と話す。
パナソニックは、省エネ性能を強化した高級機「Xシリーズ」の売れ行きが7月時点で前年比約1.4倍の好調ぶりをみせている。ダイキン工業でも高級機「うるさらX」の4〜6月の売上高が前年同期を上回った。三菱電機も各社同様に堅調に推移しており、赤外線センサーと人工知能(AI)により体感温度などを予測して快適な運転を行う高級機ならではの機能が好評という。
猛暑の中で注目が集まるのが、室温が一定以上になると自動でエアコンが運転を開始する見守り機能だ。ダイキンでは以前は高級機にしか搭載されていなかった「室温パトロール」機能を22年から全機種に搭載。各社も同様の機能を多くの機種に搭載している。
総務省消防庁によると、7月28日から8月3日までの1週間に熱中症で病院に搬送された人は全国で9507人。場所別でみると住宅が全体の約4割を占めており、見守り機能などを活用して暑さから身を守ることが重要だ。
一方、これまでエアコンの普及率が本州と比べて低かった北海道では施工業者が足りず、移動式で工事不要のスポットクーラーの売れ行きが伸びている。ディスカウント店「ドン・キホーテ」では、プライベートブランド製品の「どこでも置くだけスポットエアコン」を今年に入ってから全国で2万台以上販売。とくに北海道の店舗では1日に100台以上売れるほどの人気という。
ドン・キホーテの運営会社、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの担当者は「猛暑で壁掛けエアコンの設置に時間がかかるため、すぐ使用できる製品が人気になっている」と話した。(桑島浩任)
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