産業機械や車載のセンサー向けで、125度の高温でも充放電可能な世界初の電池としている。来年度からサンプル出荷を開始する予定で、実用化されればパナソニックグループ初の全固体電池となる。
パナソニックホールディングス(HD)は18日、次世代電池の本命と期待される「全固体電池」で、高耐熱に特化したボタン形の製品の生産に乗り出すことを明らかにした。産業機械や車載のセンサー向けで、125度の高温でも充放電可能な世界初の電池としている。来年度からサンプル出荷を開始する予定で、実用化されればパナソニックグループ初の全固体電池となる。
パナソニックHD傘下で電気自動車(EV)向け電池などを担うパナソニックエナジーが開発した。全固体電池は電流を発生させる電解質に液体ではなく固体を使っており、安全性が高く、液漏れを防ぐ必要がないため自由に設計できる利点がある。
EV用では自動車大手を中心に開発にしのぎを削っているが、産業機械向けは高温環境下での動作や長寿命が求められる分野で、パナソニックは今後の需要拡大を見越して参入を決めた。
一方、既存のEV用リチウムイオン電池についても、体積エネルギー密度を高める新技術を25年度中に開発する見込みを発表。量産中の製品と比べてエネルギー密度が12%以上増加する。27年度には25%増を目指す。
EV用電池は中国メーカーが低コストや高速充電などを武器にシェアを高めている。パナソニックは得意とする高容量と安全性で対抗する方針。(桑島浩任)
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